ニュース 政治 作成日:2014年11月30日_記事番号:T00054113
台北市では無所属の医師、柯文哲候補(55)が85万3,983票(得票率57.16%)を獲得し、60万9,932票、得票率40.82%に沈んだ国民党の連勝文候補(44)に24万票差を付けて圧勝した。投票率は67.9%で前回を2.7ポイント下回った。
柯候補は「オープンな政府、全市民の参加、公開透明」を公約に据え、青(国民党)と緑(民進党)の対立の壁を乗り越えようと訴え、野党支持層はもとより国民党支持層の一部を取り込むことに成功した。支持者の動員や新聞広告を行わず、自らは連陣営への批判を仕掛けず、感情にも訴えない穏やかな選挙運動は、長年相手陣営を徹底的にののしる激情型の選挙に慣れていた有権者の目に新鮮に映った。柯候補が民進党ではない無所属で、台湾大学医学院附設医院(台大医院)創傷医学部教授という台湾で尊敬される職業だったことも有利に働いた。
家族とともに支持者の歓声に応える柯候補。政党対立の壁を破っての勝利は台湾選挙史上に特筆される快挙だ(29日=YSN)
柯候補はまた、インターネット上で社会環境に不満を抱く若者の支持を集め、当選への一つの原動力となった。この点、今春のヒマワリ学生運動の影響があったと言える。
一方、連候補は、連戦・国民党名誉主席の長男で資産家という「特権階級」に対する批判を最後まで乗り越えることができなかった。柯候補に対し台大医院の帳簿問題や、臓器の不当摘出「疑惑」などネガティブキャンペーンを繰り広げたが不発で、終盤には柯候補は独立派で危険との訴えも行ったが、手法の古さが嫌気されかえって中間層の離反を招いた。
柯候補は当選演説で任期中に政党に加入しないと明言。重要幹部も政党活動から抜け、台北市民のために全力で仕事をさせると明言した。
一方、連候補は自身が力不足だったと支持者に謝罪。今回は敗れはしたものの、今後再起を示唆する発言も行った。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722