ニュース 政治 作成日:2014年11月30日_記事番号:T00054114
与党・国民党が15県市から6県市に減らし大敗した結果は、馬英九政権に不信任が突き付けられたことにほかならない。
記者会見で謝罪する馬総統(右2)。紛れもなく選挙の最大の敗者となった(29日=中央社)
馬政権は過去6年、中国との交流で成果を挙げてきた。しかし馬総統個人の「最終的な統一へ向けて両岸(中台)の距離を近づける」という思想は台湾の民意と乖離(かいり)があり、若者を中心にやがて台湾が中国に取り込まれるとの懸念を呼んで今春のヒマワリ学生運動につながった。また、対中交流が拡大した一方で、一般の有権者にはその経済的恩恵が感じられず、むしろ地価高騰、電力料金などの物価上昇、伸びない賃金など経済問題で依然何ら有効な手を打てない馬政権に不満を強めていた。そうした中、選挙戦で対中関係そのものが直接の争点にならなかったがゆえに批判票が容易に民進党に流れ込み、国民党の大敗につながったと言える。
民進党の蘇嘉全・選挙対策委員会召集人は結果について、「有権者は支持政党の傾向にかかわらず(馬政権の)政策実績を投票判断の根拠とした」と発言。趙天麟同党立法委員も「有権者の不満が鍵だった」と話しており、民進党が積極的に支持されての圧勝ではなかったことを物語っている。
党勢回復の時間は不十分
2016年の総統選挙では再び対中政策・路線が争点になる。民進党は勢いが出たが、独立色が懸念を呼んで今回ほどの風は吹かない可能性がある。
一方、国民党は「馬英九路線」が否定された以上、政治対話を急がないなど中国と一定の距離を置く姿勢をアピールして、有権者を安心させる必要がある。馬総統は12月3日に党主席を辞任する意向と報じられており、実際に辞任となれば少なくとも反省と改革への姿勢を示すことができる。その上で新たな主席が求心力を発揮する必要があるが、16年総統選挙までは1年余りを残すのみで、党勢を回復させるには時間が短か過ぎるかもしれない。
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