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統一地方選で国民党惨敗、江宜樺行政院長辞任


ニュース 政治 作成日:2014年11月30日_記事番号:T00054116

統一地方選で国民党惨敗、江宜樺行政院長辞任

 2016年総統選挙の前哨戦となる統一地方選挙が29日投開票され、与党・国民党は焦点だった台北市、台中市を失い、6直轄市では新北市のみを僅差で確保、全22県市中6県市を保ったのみで、現有の15県市から大きく減らす惨敗に終わった。台北市をはじめ3県市は無所属候補が獲得し、野党・民進党は台中市など国民党から7県市を奪い13県市に増やした。国民党は同日夜、江宜樺行政院長が辞任を表明し、主席を兼任する馬英九総統は「皆を失望させた」と謝罪会見を行った。過去最高の好成績を引き出した蔡英文民進党主席も「国民党の失敗を戒めとする」と気を引き締め直している。


馬英九総統(右)は12月3日にも国民党主席辞任を発表するとの観測が出ている(29日=中央社)

 6直轄市の総得票数と得票率は、▽国民党、338万5,081票(40.8%)▽民進党、397万9,329票(47.97%)▽無所属、93万1,189票(11.23%)──だった。有権者数は1,851万1,356人、投票率は67.59%に上った。当選者の就任日は12月25日。

新北市、まさかの接戦

 台北市は無所属の柯文哲候補が得票数85万3,983票(57.16%)で、国民党の連勝文候補(60万9,932票、40.82%)を下した。柯候補は「インターネット世代の力が証明され、庶民の力で台北市を変えた」と語った。敗れた連戦・国民党名誉主席の長男、連勝文候補は「努力不足だった」と話した。

 新北市は国民党の現職、朱立倫候補が95万9,302票(50.06%)で、民進党の游錫堃候補(93万4,774票、48.78%)を2万4,000票余りの僅差で 振り切った。人気が高い朱候補が意外な接戦となり、16年総統選挙出馬を目指す上で痛手になったとみられている。

台中市、民進党が大差で現職破る

 桃園市(桃園県から直轄市に昇格予定)は民進党の鄭文燦候補が49万2,414票(51%)で、国民党の現職県長、呉志揚候補(46万3,133票、47.97%)を破った。両候補は09年県長選挙以来の再対決で、鄭候補は13年ぶりに民進党施政を取り戻すこととなった。

 台中市は民進党の林佳龍候補が84万7,284票(57.06%)で、国民党の現職、胡志強候補の63万7,531票(42.94%)を約21万票の大差で勝利した。胡候補は01年から13年にわたる多選批判が響いた。林候補は「台中の新時代を築く」と表明した。

南部2市、得票率7割

 台南市は民進党現職の頼清徳候補が71万1,557票(72.9%)で、国民党の黄秀霜候補の26万4,536票(27.1%)に圧倒的な大差を付けて当選した。高雄市も民進党の現職、陳菊候補が99万3,300票(68.09%)と、元高雄県長で民進党から国民党に移った楊秋興候補の45万647票(30.89%)を全く寄せ付けなかった。頼候補は前回の61万9,897票(60.41%)から、陳候補は82万1,089票(52.8%)から得票数・得票率を大きく伸ばした。

新竹市長、最年少39歳

 首長が国民党から民進党に変わる他5県市は、▽基隆市▽新竹市▽彰化県▽嘉義市▽澎湖県──。

 基隆市は民進党の林右昌候補が10万1,010票(53.15%)で、国民党の謝立功候補(5万2,198票、27.47%)を破った。新竹市は民進党市議の林智堅候補が7万6,578票(38.36%)を獲得し、国民党の現職、許明財候補の7万5,564票(37.85%)をわずかに上回った。林候補は39歳で台湾最年少の市長誕生となる。

 彰化県は民進党の魏明谷候補が38万6,405票(53.71%)で、国民党の林滄敏候補の28万4,738票(39.58%)を破った。

 嘉義市は民進党の涂醒哲候補が7万4,698票(51.41%)で、国民党の陳以真候補の6万6,108票(45.5%)を下した。嘉義市に昇格してこれまで32年の間、女性市長が続いていた。

 離島の澎湖県は、民進党の陳光復候補が2万9,164票(55.34%)で、国民党の蘇崑雄候補の2万3,533票(44.66%)を上回った。

 

【表】【図】