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国民党次期主席、朱立倫氏が濃厚


ニュース 政治 作成日:2014年12月2日_記事番号:T00054169

国民党次期主席、朱立倫氏が濃厚

 統一地方選で空前の惨敗を喫した与党・国民党は、馬英九主席(総統)が3日に辞任を正式表明するとみられる中、新北市長に僅差ながら再選を果たした朱立倫副主席の主席就任が濃厚な情勢だ。朱氏本人が意欲を示唆した一方、もう1人の有力候補、呉敦義副主席(副総統)が主席選挙に参加しない意向を明らかにしたためで、この流れで行けば朱氏が2016年の総統選に向けて党勢回復の重責を担うことになる。その場合、総統選では朱氏が民進党の蔡英文主席と戦う可能性が高まる。


朱氏は今回の新北市長選で予想外の接戦になったものの、実績や能力、党内の人間関係、イメージなどから、依然国民党次期リーダーの最有力候補であることは間違いない(1日=中央社)

 2日付聯合報などによると、朱氏は1日、「国民党主席を引き継ぐ意欲はないか」との質問に対し、「自身の責任から逃れることはしない」と述べ、火中の栗を拾う考えを示唆した。統一地方選で国民党が受けた衝撃と教訓は空前のものだったと振り返り、「16年の政権交代に心理的準備をしておく必要がある」とも述べた。そして、この期に及んで口だけの反省や改革は許されず、実際の行動と徹底した反省が必要だと訴えた。また、国民党は新世代との間の溝が大きいことを特に問題点として挙げた。

 一方、呉副主席は2日、馬主席に副主席辞任を申し出て了承された。この動きに対しては、主席選挙への出馬が目的との解釈が出ていた。自身が馬主席から党主席代行に任じられた上で主席選挙に出馬した場合、「審判とプレイヤーを兼ねる」状態になり、これを避けるため前もって副主席を辞任したというわけだ。しかし呉副主席は2日、「観測は間違っている。主席選挙には出馬しない」との声明を発表。「主席には新しい人物が就任し、徹底的な改革を通じて人民の信頼を取り戻してほしい」との考えも示した。党主席には就かないで総統候補を目指すという観測もあるが、現在の厳しい状況に先頭に立って立ち向かわないのであれば、党内から総統候補としてふさわしくないとの声が出そうだ。

立法委員「朱氏以外いない」

 国民党立法委員の間でも朱主席待望論は強く、馬総統系の呉育昇氏(新北市)は「唯一無二の人選だ。指導者世代で最も若く、若い世代に価値観を合わせやすい」と強調。ベテランの頼士葆立法委員(台北市)も「イメージが良い」と推している。羅明才立法委員(新北市)、廖正井立法委員(桃園県)も「今の局面は朱氏以外では支えられない」との見方だ。朱氏が主席に就任して、そのまま総統選に立候補してほしいと願う声が多いようだ。

 国民党主席は、早ければ来年1月初旬、遅くてとも同月下旬に決定となる見通しだ。呉副総統が副主席を辞任したため、馬総統が主席を辞任した後、新主席決定までは洪秀柱副主席(台北市、女性)が代行を務める。

「馬氏は総統も辞任を」

 中国時報が有権者722人を対象に行ったアンケート調査によると、馬総統は惨敗の責任を取って総統職も辞任すべきという回答が36%に上り、その必要はないとした24%を大幅に上回り、改めて不人気ぶりを見せ付けた。

 李登輝元総統も三立新聞台のインタビューに「国民党は民心を失い、政策の誤りが証明された。馬総統は総統職もできる限り早く辞めるべきだ」と述べた。