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台北〜宜蘭間の鉄道直線化、翡翠ダム経由が再浮上


ニュース 運輸 作成日:2014年12月8日_記事番号:T00054259

台北〜宜蘭間の鉄道直線化、翡翠ダム経由が再浮上

 台北市長選で当選した柯文哲氏は7日、再選が決まった林聡賢・宜蘭県長(民進党)と会談し、現在海岸線沿いを大きくう回している台北〜宜蘭間の台湾鉄路(台鉄)の線路を翡翠ダム(新北市)を貫く最短直線ルートに変更する構想を明らかにした。過去に検討されたルートが再浮上した格好だが、環境団体や関係官庁からは早くも反対の声が上がっている。7日付中国時報が伝えた。


柯次期台北市長(左)は直線ルートについて、市民の時間コストを最も考慮すべきで、環境への影響はそれほど大きくないと述べた(7日=中央社)

 直線ルートをめぐっては、既に交通部が翡翠ダムを避け、南港から大渓を経て、頭城に至る案の採用を決めており、来年3月にも評価報告がまとまる予定となっている。今回の最短直線ルート構想は、交通部の方針を覆すものとなる。

 柯氏は「宜蘭も首都生活圏に含まれる。最速の路線を支持する点で認識が一致した」と述べ、翡翠ダムを通過することに関する環境影響評価をめぐる論議は専門家に委ねたいとした。その上で、環境影響評価を通過できれば、最短ルートを採用するとした。

 これに対し、環境団体は台北地域の上水道の水源、水質に大きな影響を与えかねないとして懸念を表明した。

 台湾水資源保育聯盟の粘麗玉主任は「鉄道直線化構想は2006年の環境影響評価で生態的にデリケートな地域や断層、地下水脈、遺跡などを通過するため、開発すべきではない」とし、代替案を示すべきだと主張した。

 交通部関係者も「翡翠ダムを貫く案は論議を呼ぶことになり、構想が逆転する可能性は低い」との見方を示した。