ニュース 社会 作成日:2014年12月15日_記事番号:T00054383
台湾の葬儀では、故人を追悼する文句を紙に記した「輓聯」を飾る風習がある。この輓聯については「あまり意味がない」「紙資源の無駄使い」など見直すべきとの意見が多い中、内政部はこのほど、プロジェクターなど関連設備を備えた葬儀会館での「電子輓聯」利用を可能とするサービスを開始した。
15年末までに全ての公立葬儀会館に電子輓聯の設備が設置される見通しだ(内政部リリースより)
輓聯はもともと、故人を表彰する意味合いを持ち、職位の高い役人のみが送っていたそうだが、現在では葬儀場には輓聯があふれるようになっている他、スペースに限りがあることから重ねて貼り出され、下の輓聯は隠れてしまい、遺族や参列者の目に触れることもないという。しかもこの輓聯は葬儀後に焼却される習慣となっていることから、遺族が送り主を確認したり、その内容から故人をしのぶこともかなわず、従来の意義が損なわれつつある。
一方、電子輓聯を利用すれば、遺族は送り主を確認することが可能で、さらに内政部のサービスは認証制を採用しているため、送り主の身元に対する信用度も高い。同サービスは当面、送り主を総統府、行政院、立法院、司法院、考試院、監察院および各省庁、地方政府などの機関に限定しているが、今後は主要な宗教団体にも開放する計画だ。
なお政府は公設の葬儀会館に関連機器の設置を進めており、現在までに8県市12カ所、65の会場で電子輓聯の利用が可能となっている。特に台北市では2012年9月〜今年10月末に延べ8,000人が申請、1年間に1万1,000トン以上のごみを減らすことに成功している。
統計によると、2013年の死亡者数は15万5,908人で、うち葬儀会館での葬儀は7万3,715人。1回の葬儀で輓聯が平均20枚貼り出されると考えると、1年間に輓聯が約150万枚焼却されている。これがすべて電子化されれば、二酸化炭素(CO2)排出量を120トン削減することができるそうだ。
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