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インプラントで余分な歯植える、「医療ミス」と賠償判決


ニュース 社会 作成日:2014年12月23日_記事番号:T00054542

インプラントで余分な歯植える、「医療ミス」と賠償判決

 5年前にインプラント手術を受けた女性が、無駄に人工歯を埋め込まれたせいで歯の数が正常な本数を上回り、痛みや炎症を起こして食事や睡眠に影響が出たとして歯科医を訴えた裁判で、裁判所はこのほど「医療ミス」との判断を下し、医師に349万台湾元の損害賠償を命じた。

 訴状によると、原告の50代女性は、知人に紹介された高雄市の歯科診療所で2009年3月から10年8月まで、同所を経営する歯科医(70代)によるインプラント手術を受け、計16本の人工歯を埋め込んだ。手術は100万元以上かかったとのことだ。

 ちなみにこの歯科医は日本歯科大学で博士号を取得した後、中山医学大学歯学部で教授を務めたこともあるベテランで、高雄市では名医として知られていたという。

 しかし、同医師はなぜか、必要のない親知らずの生える場所にまで人工歯を埋め込んだため、正常な人に備わっている32本より多い33本の歯が並ぶことになった。

 通常より歯が多くなったことでかみ合わせが悪くなったり、歯間が狭くなるなどの原因で、女性は痛みや炎症の他、顔が変形するなどの影響があった。術後5年が経過した現在では柔らかい物しか口にできない状態で、女性は医師を相手取り「金儲けのために不要な歯を植えられた」として高雄地方法院(地裁)に訴えを起こした。

 裁判官はこのほど「手術は不適切なものだった」として医療ミスと判断。医師に賠償金の支払いを命じた。

 医療ミスとされた医師は、歯が1本多くなったことについて、技術的に必要だったと主張。今後、控訴するかどうか検討するとしている。

 なお台湾医療改革基金会の辜智芬研究員によると、12年に台湾で発生した800件余りの医療トラブルのうち、歯科関連は約110件と最多で、インプラント関連が30%を占めたという。