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今年の訪日旅行者25%増、円安・免税拡大で3割お得に


ニュース 商業・サービス 作成日:2014年12月23日_記事番号:T00054565

今年の訪日旅行者25%増、円安・免税拡大で3割お得に

 交通部観光局の統計によると、今年1〜11月に日本を訪れた台湾人旅行客は延べ275万5,354人で、前年同期比25.65%の大幅増となった。円安進行と10月から日本で免税物品の対象範囲が拡大したことを受け、薬や名産品など台湾人に人気の商品が昨年に比べ3割以上安く購入できるようになったためだ。「お得感」が増した日本行きツアーは来月もほぼ完売状態で、一部では3カ月待ちとなっている。23日付蘋果日報が報じた。


博多駅前のイルミネーション。九州ツアーも台湾人に人気で、地元タクシーの運転手も台湾人旅行客の利用が増えていると語った(YSN)

 大手旅行会社、雄獅旅行社(ライオントラベル)の游国珍副総経理は、来月分の日本行きツアーはとっくに売り切れており、以前1カ月待ちだったものが現在は2〜3カ月待ちになったと説明した。同社の11月の日本行きツアー件数は前年同月比66%増えた。

 旅行業者によると、円相場は昨年の最高1円=0.38台湾元から直近の1円=0.263元まで円安が進み、もともと人気だった日本の商品を安く買いに行く人が増えたようだ。ツアーガイドによると、台湾人が旅行先で買う日本商品は上位から▽薬・化粧品▽名産品▽ユニクロの商品▽家電▽スナック菓子・即席麺──の順に多い。これらの商品は台湾でも購入できるが、日本で買えば名産品は1品当たり200〜400台湾元(約760〜1,500円)、薬・化粧品は1,000元、家電は1万〜2万元安く購入できるようになった。

 来年からは台湾元現金の海外への持ち出し限度額が現行の6万元から10万元に引き上げられるため、日本でのショッピング人気がさらに高まりそうだ。

全日空、台湾人の買い物応援

 全日本空輸(ANA)は来年1月8日発券分の航空券より、国際線エコノミークラス利用の際の無料預け入れ手荷物許容量を従来の1個から2個へ増やす。スーツケース1個当たりの規定は従来通り重さ23キログラム以下、3辺合計で158センチメートル以下。台湾人旅行客が日本で重量を気にせず買い物できるようにして、同社のフライトを利用してもらうのが狙いだ。なお、日本航空(JAL)は2011年から同様のサービスを行っている。

 一方、台湾の大手2社、中華航空(チャイナエアライン)と長栄航空(エバー航空)は、今のところ無料預け入れ手荷物許容量はスーツケース1個(最大20キロ)までのままだ。

薬の持ち込み、規制緩和へ

 衛生福利部食品薬物管理署(TFDA、食薬署)は、旅行客が台湾入境時に携帯できる薬の上限量を定めた規制の緩和を、当初計画の来年7月から上半期に前倒しで実施することを検討している。海外で薬を土産として買ってくる旅行客が多く、現行規定が時代遅れと批判されているためで、規制が緩和されれば旅行客が日本で買う薬の量も増えると予想される。

 現行規定では、例えば口服用ビタミン剤は12瓶(または1,200粒)まで、軟こう薬のタイガーバームは大瓶3瓶、小瓶12瓶まで、その他薬品は6種類までと規定されている。

 姜郁美TFDA署長代行は22日、毛治国行政院長から関連規定の緩和を急ぐよう指示を受け、財団法人消費者文教基金会(消基会)などと改正案について協議していると説明した。今のところ3カ月分の容量を上限とする案が有力だという。

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