ニュース 社会 作成日:2014年12月25日_記事番号:T00054597
立法院の与野党議員団は24日、台湾全土の動物収容所における野良犬や野良猫などの殺処分を禁じる「動物保護法」改正案について合意した。早ければ2017年に施行される見通しだ。
現在、「動物保護法」第12条には「収容後12日を過ぎて引き取り手がなく、他に適当な処理方法がなかった場合に」殺処分が認められるとの条文があり、動物収容所の統計によると、2013年には9万9,055匹の野良犬が捕獲され、そのうち4万2,424匹が殺処分された。
「動物保護法」改正案を提出した国民党の王育敏立法委員は、台湾で昨年公開され話題を呼んだ、収容所に送られた動物たちを追ったドキュメンタリー映画『十二夜』がきっかけとなったと説明。今回の与野党協議では第12条の条文を削除することに合意がなされた。
改正案には「成立2年後に施行する」との内容が盛り込まれる見通しで、来年1月23日までの今会期中に成立すれば17年から殺処分が禁じられることになる。
ただ同改正案について台南市流浪動物研究協会の徐満恵総幹事は、同市で動物の殺処分を減らす活動に関わってきた経験から「殺されないと知ればペットを捨てる飼い主が大幅に増える」と予測。「2年後に殺処分が無くなるなんておとぎ話だ」と否定的な見方を示している。
新竹市産業発展処農林畜牧科の蔡麗蓮科長も、「当市収容所の最大収容能力は120匹で、動物が寿命を迎えるまで飼育することになれば、スペース、人手、経費の不足は避けられない」と指摘した。
これに対し王立法委員は、これまで「12日間で飼い主が現れなければ希望者に引き渡す」としていた規定を「7日」として収容期間を短縮する、ペットを繁殖させる場合は監督機関への報告を義務付ける、といった補完措置を導入すると説明した。
「動物を殺さない」という理念は素晴らしいが、周到な準備や市民の意識向上が伴わなければ、かえって不幸な動物を増やすことになりかねない。
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