ニュース 電子 作成日:2014年12月26日_記事番号:T00054646
近距離通信技術(NFC)機能を搭載したスマートフォンを端末にかざすことで代金決済が可能となるモバイル決済サービスを提供する群信行動数位科技(ADTC)は、来月15日から第1弾として30万枚の専用SIMカードの申請受付を、通信キャリア5社を通じて開始する。ADTCは来年末までに50万枚のSIMカード発行を予定しており、NFCモバイル決済ユーザーは今年の40万〜60万件から100万件以上に倍増する見通しだ。26日付蘋果日報などが報じた。
台湾のNFC対応スマホは現在約300万台で、モバイル決済市場は高い潜在成長力を持つ(ADTC提供)
ADTCは通信キャリアとサービス提供事業者の間を仲介し、安全な決済サービスを提供できるようにするTSM(信託サービス管理)事業者。同社は25日、NFCモバイル決済用プラットフォームの提供を開始した。ADTCには、▽中華電信▽台湾大哥大(台湾モバイル)▽遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)▽台湾之星移動電信(台湾スターテレコム)▽亜太電信(アジア・パシフィック・テレコム)──の他、悠遊カードを運営する悠遊卡公司、複数の大手クレジットカード発行銀行が出資していることが強みだ。
NFC対応スマホの所有者は、通信キャリアが発行した専用のSIMカードをスマホに差し込み、ADTCの専用アプリケーションを通じて銀行が発行した決済用クレカや悠遊カード、一卡通(Iパスカード)、会員カードなどの情報を入力すればADTCのサービスを利用できるようになる。入力できるカード情報はスマホ1台当たり10枚まで。サービス開始当初にクレカ申請を受け付けるのは、▽玉山商業銀行(Eサン・コマーシャル・バンク)▽国泰世華商業銀行(キャセイ・ユナイテッド・バンク)▽遠東国際商業銀行──の3行。その後、中国信託商業銀行(CTBCバンク、中信銀)、台新銀行、富邦銀行、永豊銀行などに拡大する。
ADTCは将来的に、セブン−イレブンの「icash」カードや遠東グループのポイントカード「HAPPY GO」など、各種会員カード、ポイントカード、入退室管理のICカードなどにも利用範囲を広げていく方針だ。
ADTCはまた、日本、中国、香港と国・地域をまたいだ越境インターフェースの実現について協議している。早ければ来年下半期にも、同社のサービス利用者がこれらの国・地域でもモバイル決済ができるようにしたい考えだ。
市場規模9倍増へ
ADTCの林志盈董事長は、台湾のモバイル決済市場規模は来年890億台湾元(約3,400億円)に達し、このうちNFCモバイル決済は来年16億元、2017年には138億元へと約9倍の規模に成長すると予想している。林董事長は、NFC対応スマホはこれまでハイエンド機種に多かったが、今年はミドル〜ローエンド機種にもNFC機能が広がってきたと指摘。また今年は関連の金融法規の規制が緩和され、モバイル決済サービス推進に有利な環境が出来上がってきたと述べた。
プラットフォームも統合へ
来年はADTCを含めたTSM事業者4社がモバイル決済サービスを開始することになる。このうち聯合信用カード処理センター(NCCC)系と市中銀行32行などが設立した台湾行動支付は、来週プラットフォームの提供を開始する予定だ。台湾行動支付はiPhone6に搭載された決済機能「アップルペイ」に対応している。ADTCと台湾行動支付は来年第2〜3四半期にプラットフォームを統合する計画で、NFCモバイル決済の普及をさらに後押ししそうだ。
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