ニュース その他製造 作成日:2014年12月27日_記事番号:T00054658
台湾太陽電池2位、茂迪科技(モテック・インダストリーズ)は26日、聯華電子(UMC)傘下で業界4位の聯景光電(トップセル・ソーラー・インターナショナル)を株式交換によって買収すると発表した。モテックはこれにより生産能力が世界一の3ギガワット(GW)に達する。株式の交換比率はトップセル6株に対しモテック1株。モテックが存続会社となり、合併基準日は2015年7月1日だ。世界市場での激しい競争を勝ち抜くにはスケールメリットが必要との判断が背景にある。27日付蘋果日報などが報じた。
モテックの張秉衡執行長は、台湾の約9GWの生産規模では、企業数を2~3社に集約することがふさわしいとの見方も明らかにした。モテックは以前、台湾太陽電池業界で首位だったが、昨年、旺能光電(デルソーラー)を買収して生産能力が2.1GWとなった新日光能源科技(ネオソーラーパワー、NSP)に逆転を許していた。しかし、今回のトップセル買収で再逆転を果たす。張執行長は合併に当たり、人員削減を行わない考えも示した。
証券アナリストの方慕孺氏は、トップセルは先端製造プロセスで変換効率の高い6インチウエハーを擁しており、モテックの技術面でのリードを強化できると指摘。合併によって生産能力が世界最大となるため、強い価格交渉力を持てると指摘した。モテックにとっては、トップセルの持つ1GWの生産能力を工場建設で獲得する場合、本来は100億台湾元(約380億円)に上る投資が必要だが、株式交換による約20億元のコストで済むため非常に割安との見方も出ている。
TSMCとUMCが1・2位株主に
UMCのトップセルへの出資比率は92%で、両社合併後、UMCはモテックに9%を出資する2位株主となる。また、モテックに董事1人を派遣する。トップセルは毎年赤字を計上しており、今年も第3四半期までの累計損失額が1億2,300万元に達していた。業界関係者は、UMCにとっては業績の悪い子会社を切り離して負担を軽くできるメリットがあると説明した。
モテックの筆頭株主は台湾積体電路製造(TSMC)で、出資比率は約20%だ。TSMCとUMCはファウンドリー業界で約30年にわたるライバル関係にあるため、モテックの経営で良好な協力関係を築けるかは観察が必要だ。
ちなみに両社はかつて太陽電池業界に積極的に進出したが、その後赤字続きとなったため投資を縮小している。TSMCはモテックへの戦略的投資を取りやめ、CIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン)薄膜太陽電池の生産子会社、台積太陽能でも生産能力拡張を中止した。UMCも一昨年、傘下の太陽電池メーカー、聯相光電(ネクスパワー)による中国・山東省での事業会社を欣興電子(ユニマイクロン・テクノロジー)に売却していた。
TSMC、出資比率削減観測
モテックがトップセルを合併した後、TSMCが出資比率を引き下げ、董事席1つを明け渡して影響力を薄めるとの観測もある。太陽電池産業は今後毎年2桁の成長率が望める一方、15年も各メーカーの変換効率に大きな差がない中、供給過剰かつ川下モジュールメーカーの集約が進んだ環境の下、川上の電池メーカーはさらに激しい価格競争に見舞われると予想されるためだ。
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