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公館の歩行者天国、「売上激減」と商店から不満噴出


ニュース 社会 作成日:2015年1月6日_記事番号:T00054698

公館の歩行者天国、「売上激減」と商店から不満噴出

 台湾大学周辺の公館商圏の路地で試験的に実施されている歩行者天国について、昨年8月の開始から5カ月が経過した。台北市政府の調査では、周辺商店では客足、売上高とも増加し、約8割の市民が同措置を支持しているとの結果が示されたが、5日に行われた公聴会では多くの商店経営者から「売り上げが毎月のように減っている」とまったく逆の声が上がった。

 公館商圏の歩行者天国は、台北市羅斯福路3段286巷、316巷、同4段24巷などで土日・祝日の正午から午後10時まで(11月から午後3〜9時に短縮)自動車やバイクの通行を禁止するというもので、歩行者の安全性を高め、消費を促すことを目的として試験導入された。

 台北市交通局の統計によると、公館商圏では歩行者天国を導入する以前、1時間当たりの平均来客数は1,123人だったが、導入後は同2,089人に増加。また同市商業処の江美玲副処長は、国税局の資料を基に同地区で統一編号(企業の納税者番号)を取得している商店68件の2013年8〜9月の合計売上高は1カ月平均で5億8,900万台湾元だったが、昨年同期は7億2,200万元まで増加したと説明した。

 しかし周辺商店100店舗近くの経営者が出席した5日の公聴会では、「市政府は一部商店を取り上げて売り上げが増えたとうたっているが、実際には大幅な減収に見舞われている店の方が多い」と訴える声が多数上がった。

 売上減の原因としてある経営者は、バイクが入って来られなくなったこと、駐車場が商圏から歩いて10分以上かかる場所に設置されたことで客が半減したと指摘。その後、近くに臨時駐車場が設置されたもの、駐車スペースが少ない上、利用時間も30分と短く、十分ではないと不満をこぼしている。

 一方で、公館商圏促進会の周麗華理事長が「歩行者天国導入後、消費者は安心してショッピングを楽しめるようになった」と語るなど肯定的な意見もある。

 意見が割れる中、鍾慧諭交通局長は、歩行者天国を継続する否かについてはインターネットを利用した市民投票を実施し、その結果を参考に決めたいとの考えを示した。