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陳前総統の自宅療養許可、服役から6年


ニュース 社会 作成日:2015年1月6日_記事番号:T00054702

陳前総統の自宅療養許可、服役から6年

 汚職事件で6年余りにわたり台中監獄(刑務所)で服役してきた陳水扁前総統が6日、病気療養目的での自宅療養を認められた。


陳前総統(左)は「阿扁(アービエン、陳前総統の愛称)愛してる」「やっと出てこられたね」など支持者の声援を受け、乗車10分してから帰途についた(5日=中央社)

 同日午後に長男・陳致中氏に付き添われ、台中監獄正門に車いす姿で姿を見せた陳前総統は、涙ぐみながら支持者に手を振った後、車で高雄市の自宅に向かい、自宅に戻った後、88歳になる母親と抱き合い再会を喜んだ。

 法務部矯正署は同日朝、「常に死に至る危険性がある」として、病気療養目的での自宅療養を認めた。保釈金は200万台湾元(約750万円)で、住居制限と出境禁止の条件が付いている。

 矯正署によると、陳前総統は脳の神経退化が進み、毎日70回以上尿漏れを起こしたり、睡眠中に呼吸が停止したりするなど、病状が悪化していた。また、心臓疾患による死亡リスクが健常者の1.87倍あるほか、自殺リスクも否定できないと判断された。

 自宅療養は1カ月ごとに延長され、4年後には仮釈放の申請が可能となる。自宅療養期間は刑期には算入されず、刑期満了は現時点での2028年11月から先送りされる。

 陳前総統は08年5月に辞任後、国務機密費に絡む汚職事件で同年11月に逮捕、起訴され、懲役20年の判決が確定。台中監獄内の医療刑務所で服役していた。

 陳前総統の恩赦や自宅療養は長年認められなかったが、昨年11月の統一地方選での与党国民党の惨敗後風向きが変わり、先月8日に羅瑩雪法務部長が陳前総統サイドに自宅療養の申請を行うよう提言。医療鑑定小委員会に陳前総統サイドが推薦する医師が加わり、自宅療養が望ましいとの結論が下されたことから、決定は時間の問題となっていた。