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15年成長率、原油安で5年ぶり4%超も=主計総処


ニュース その他分野 作成日:2015年1月7日_記事番号:T00054752

15年成長率、原油安で5年ぶり4%超も=主計総処

 行政院主計総処は、原油価格が昨年6月をピークに約5割下落したことを受け、原油安が今年の域内総生産(GDP)を1,600億台湾元(約6,000億円)以上押し上げ、GDP成長率は5年ぶりに4%を上回るとの見方を示した。同処は昨年11月末に今年の成長率を3.50%と予測していたが、一挙0.5ポイント以上の上方修正を意味する。スタンダードチャータード銀行はさらに楽観的な見通しで、今年の成長率を4.3%と予測した。7日付経済日報などが報じた。

 主計総処は、原油価格が10%下落すれば台湾のGDP成長率を0.26ポイント押し上げると指摘。同処関係者は、原油安により企業の生産コストが低減し、産業の高付加価値化も図れると述べた。家計レベルでは石油製品への支出が減少した分が別の物・サービスへの消費に回るため、個人消費が増加すると分析した。

 チャータード銀の符銘財・台湾地区首席エコノミストは、台湾は毎年約3億バレルの原油を輸入しており、原油価格が昨年6月の1バレル当たり100米ドル余りから最近50米ドル前後に下落したことで、120億〜150億米ドルの輸入コストを削減できたと指摘。台湾の年間GDPを約4,800億米ドルとし、為替変動などの要因を除外して計算すると、実質GDPを1〜1.5%押し上げる効果があると述べた。

 また、原油安によって台湾のガソリン価格は来週にもオクタン価95無鉛ガソリンで1リットル当たり25元まで下がり、半年で累計3割下落するとも予想されている。中華経済研究院(中経院、CIER)の梁啓源董事長は、ガソリン価格が10%下落すれば台湾のGDPは0.27%増加すると指摘。下落幅が3割以上に達すればGDP成長率を0.51ポイント押し上げる効果が期待できると述べた。

 台湾経済研究院(台経院)は、原油安が続けば、企業は浮いたコストを従業員の昇給に回す可能性があるとの見方を示した。中央銀行(中銀)の彭淮南総裁は先月、原油安はメリットがデメリットを上回るとの見方を示し、企業は原油安で増えた利益を従業員に還元すべきと呼び掛けていた。

運賃値下げの拡大予想

 一方、符チャータード銀エコノミストは、原油価格の下落は電気料金、交通機関の運賃、輸入自動車価格などにまだ十分に反映されていないと指摘。原油価格は今後1バレル当たり50〜60米ドルの安値でもみ合い、交通機関の運賃値下げがさらに拡大すると予想。原油安の恩恵が企業から家計に広がり、個人消費が伸びるとの見通しを示した。

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