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日本人男性がラーメン店開業、目的は失踪の妻探し


ニュース 社会 作成日:2015年1月12日_記事番号:T00054809

日本人男性がラーメン店開業、目的は失踪の妻探し

 失踪した台湾人の妻を探すために来台し、情報を広めようと南投県でラーメン店を開いた日本人男性がいる。

 三原屋民臣さん(68)は、彰化県出身の台湾人女性、張鈞萍さん(55)と20年前に結婚。それ以来、仙台で生活を共にしていた。しかし、病気を患い台湾に一時帰省した鈞萍さんは2012年6月29日、散歩に出掛けたまま行方が分からなくなってしまった。

 妻がいなくなったとの知らせを受けて三原屋さんはすぐに渡台し、捜索を開始した。鈞萍さんは軽いうつ病を患っていた上、仏教への信仰心があつかったことから、出家したのではないかと考えた三原屋さんは、台湾の親族とともに多くの寺院を回って妻を探したが、有力な情報は得られなかった。

 そして約3カ月が過ぎた12年9月、三原屋さんは料理人としての腕を生かして生活費を稼げる他、観光客を通じて尋ね人の情報を拡散できるとして寺院の多い観光地、南投県集集鎮にラーメン店を開業した。

 同店では日本から輸入した食材を使用して作った豚骨ラーメンやおにぎりを販売。店内には妻に関する情報を記した貼り紙を掲げた。本場のラーメンが食べられるとあって三原屋さんの店は口コミで評判が広がり、当初はまずまずの繁盛を見せたという。

 しかし輸入食材にこだわったため1杯160台湾元と比較的高価だったこと、および営業日は週に4日とし、他の日は妻の捜索に充てたこと、店の場所が繁華街から離れていたことなどから徐々に客足が減っていった。しかも依然、妻の行方は分からないままとなっていることから、三原屋さんは今月25日で店を閉め、より人の多く集まる寺院のそばで手作り麺を販売することを決意した。

 「夫婦なのだから彼女を見つけることは私の責任」と語る三原屋さんは、もともと日本で退職した後、妻と一緒に台湾で生活することを計画していたそうだ。一日も早く朗報がもたらされることを願うばかりだ。