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服役中の元東森グループ総裁、刑務所内で好き放題


ニュース 社会 作成日:2015年1月13日_記事番号:T00054839

服役中の元東森グループ総裁、刑務所内で好き放題

 元力覇グループの王又曽総裁一族が力霸、東森グループの資産300億台湾元余りを横領した、いわゆる「力霸事件」で実刑が確定し、服役中の王令麟・元東森グループ総裁が刑務所幹部を買収して便宜を受けていた問題で、王元総裁は収監後、刑務所内の図書室をオフィス代わりにして秘書やグループ幹部に経営指示を出したり、看守の妻が作ったステーキを食べるなど受刑者とは思えない暮らしぶりだったことが明らかとなった。

 台北地検署の調べによると、懲役3年10月の判決を受けて2012年11月に収監された王受刑者は、収監前に胡暁菁秘書(女性)を通じて台北監獄の蘇清俊副典獄長(当時)と接触して買収。蘇副典獄長は、王受刑者が社会状況を把握し、東森グループの運営を掌握するため収監1日目から主要紙全てが読めるよう手配した。

 また蘇副典獄長は、同じく台北監獄に収監されていた陳水扁元総統が使用していた所内の図書管理室を王受刑者に提供。ここにはパソコンやテレビ、入浴設備まで備わっているとされるが、あるとき、テレビを見ようとして電源につながっていないことに気付いた王受刑者は大声で看守を呼び、つなげさせたという。

 この他、王受刑者は刑務所内に「PC技能訓練クラス」を開設するよう提案。同クラスの責任者に胡秘書が任命されるよう計らい、その後、秘書は1年余りの間に85回、王受刑者と面会し、契約書など大量の資料を持ち込んだ。また東森グループの幹部もたびたび台北監獄を訪れて経営判断を仰いでおり、王受刑者は毎日のように関係者と会議を開いていた。蘇副典獄長自らが資料を届けることもあったそうだ。

 蘇副典獄長は便宜を図った見返りとして春節(旧正月)や中秋節に贈答品を受けたり、胡秘書から現金が入っていると思われる封筒を受け取ったとされる他、東森グループの経費を使って一家で温泉旅行に出掛け、1泊18万元のスイートルームに泊まったことも明らかとなっている。

 台北地検署は12日、王受刑者、胡秘書、および蘇副典獄長ら関係者23人を貧汚治罪条例(汚職処罰法)違反で起訴した。