ニュース 建設 作成日:2015年1月14日_記事番号:T00054893
台北市の松山たばこ工場跡地での台北文化体育園区(通称・台北ドーム)建設工事をめぐり、柯文哲市長がこのほどドームと国父紀念館を結ぶ連絡地下道を建設しない可能性を示唆し、波紋を広げている。開発を担う遠雄企業団(ファーグローリー・グループ)は13日、地下道は防災などの観点から必要不可欠だと反発した。台北ドームは2017年の台北ユニバーシアードの競技会場となることが予定されているが、建設計画が変更されることになれば、手続きに時間を取られて完工が間に合わなくなる恐れもあるという。14日付経済日報などが報じた。
柯市長は趙董事長に対し、意見があるなら直接討議しようと呼び掛けた(13日=中央社)
ドームの工事現場では、環境保護団体が昨年4月から周辺樹木を守るよう求める運動を続けており、別の場所に移植する案にも反対している。柯市長は先週、樹木を移転しない代替案の提出、および環境団体との意思疎通を行うよう捷運工程局に指示し、地下道を建設しない可能性にも言及した。
遠雄董事長、柯市長に反論
これに対し、遠雄の趙藤雄董事長は13日記者会見を開いて批判した。地下道は台北ドームの収容人数4万人のうち約7,000人が利用でき、緊急時に人の流れを分散化する目的を果たすと説明。地下道がなければ、事故発生時には全員が地上の道路に飛び出すことになり、避難の所要時間は3.3倍の36~43分に拡大するとして、「人よりも木の方が大切ということがあろうか」と設置の必要性を力説した。
さらに、地下道建設や周辺歩道の拡張による樹木の移植は台北市政府が5年間に24回の審査を行った上で認可したと強調。地下道設置の中止、設計変更となった場合は環境影響評価、都市設計審議の再審査が必要となり、全体の工程がさらに遅れると懸念を示した。また、開発完了後の樹木の数は311本へと、従来の122本から2.5倍に増えると述べて市民に理解を求めた。
その上で、台北ドームは今年末の完成、来年の試験営業を経て、台北ユニバーシアードの競技会場として利用されるが、このままでは大会開催に間に合わず、国際的信用を失いかねないと警鐘を鳴らした。
一方、柯市長は地下道の設計について、「最良とは思わない」と発言。台北ドーム自体の建設は引き続き行うが、地下道については「焦る必要はない」との見方を示し、専門的なことは交通局や捷運工程局に委ねると語った。
空軍総部開発から撤退
柯市長は12日、中央政府と台北市政府が共同で進める予定だった仁愛路の空軍総部跡の開発案件について、台北市は撤退するとして、中央政府に対し公示地価348億台湾元(約1,920億円)の支払いを求め世間を驚かせた。しかし翌13日には、金銭ではなく公共住宅建設のための公用地を、中央政府が代わりに提供するよう求める方針に転換した。
空軍総部跡地は面積7.15ヘクタールで、地目を商業区に変更して、共同で文化、イノベーション、産業専用区として開発し、今年末にテナント募集を開始する計画となっていた。
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