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国民党主席に朱立倫新北市長、得票率99.6%


ニュース 政治 作成日:2015年1月19日_記事番号:T00054958

国民党主席に朱立倫新北市長、得票率99.6%

 統一地方選の惨敗を受けた馬英九主席の辞任に伴う国民党主席補欠選挙の結果が17日発表され、唯一出馬した朱立倫新北市長(53)が事実上の信任投票で当選した。得票率は99.61%で、2009年の馬英九氏(94.18%)を上回り、過去15年間で最高を記録した。中央社電などが伝えた。


国民党主席選は統一地方選で辛勝した朱氏以外に選択はなかった(19日=中央社)

 19日午前に就任式に臨んだ朱新主席は「国民党はこれまで草の根の声に耳を傾けようとしなかった。今後は人民の側に立ち、必ず再起しなければならない。奮闘はきょうから始まる」と決意を述べた。

 就任演説で朱新主席は「行政権が立法権を勝ってはならず、立法権が行政権に制約を加えてもならない。行政と立法が同じ歩調を取ってこそ、国と国民に利する政策を推進できる」と指摘した。

 18日付蘋果日報は、主席選で台北市の投票率が38%にとどまった点を指摘。国民党関係者は、台北市には馬英九氏を支持する党員が少なくなく、朱氏が主席選出馬後、馬氏を露骨に批判したことや、王金平立法院長の党籍確認訴訟での上訴に否定的な立場を取ったことが投票行動に影響したと分析した。

 朱氏は次期総統選への出馬が視野に入ったが、連戦名誉主席ら守旧勢力を含め、党内のバランスを取り、いかに党勢の立て直しを図っていくか、その手腕が問われることになる。

 この他、消息筋によると、党秘書長には新北市副市長を歴任した李四川・行政院秘書長の就任が有力視されている。副主席は洪秀柱・立法院副院長、郝龍斌・前台北市長、黄敏江・前嘉義市長などの留任が予想されるほか、胡志強・前台中市長(旺旺集団副董事長)の就任も取り沙汰されている。副主席人事は早ければ21日の党中央常務委員会で固まる見通しだ。

中国共産党が祝電

 朱氏の国民党主席就任に際し、中国共産党の習近平総書記は祝電を寄せ、「両党が民族の大義を守り、92年の共通認識と台湾独立に反対するという共同の政治的基礎を堅持し、協力を強化し、相互信頼を高め、両岸(中台)関係の平和的発展を推進することで、両岸民衆に幸せをもたらし、民族復興の偉業を共に達成しよう」と呼び掛けた。

 朱主席は「両党は6年余りにわたり、92年の共通認識に基づき、積極的にさまざまなレベルで交流と協力を行い、両岸の平和的発展に向けた歴史的な新局面を切り開いた」とし、今後も相互信頼を重ねていくべきだとの認識を示した。

 朱主席はただ、「両岸人民は同じ中華民族に属するが、共通点を求めると同時に相違点を尊重し、互いの心理的距離を縮めることに努力すべきだ」とくぎも刺した。