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ファイソン産業用SSDの開拓加速、アペイサーの筆頭株主に


ニュース 電子 作成日:2015年1月20日_記事番号:T00055006

ファイソン産業用SSDの開拓加速、アペイサーの筆頭株主に

 NAND型フラッシュメモリーコントローラICメーカー、群聯電子(ファイソン・エレクトロニクス)は19日、メモリーモジュールの宇瞻科技(アペイサー・テクノロジー)の第三者割当増資を引き受け、産業用SSD(ソリッドステートドライブ)市場開拓で戦略提携すると発表した。3億8,070万台湾元(約14億円)を出資し、増資後のアペイサーの株式9.9%を取得して筆頭株主となる。両社はコントローラIC技術の研究開発(R&D)などで協力し、製品寿命が長く、利益率の高い産業用SSD需要を狙う。20日付工商時報などが報じた。

 ファイソンによるアペイサー株取得価格は1株当たり25.38元で、19日終値で計算すると約19%のディスカウントだ。ファイソンは当面、アペイサーに董事を派遣しない方針だ。

 両社は以前より長期にわたる協力関係にあり、アペイサーはメモリーコントローラチップの多くにファイソンの製品を使用している。潘健成ファイソン董事長は、同社のNAND型フラッシュメモリーコントローラIC技術とアペイサーのDRAMモジュールは相互補完性があると指摘。産業用SSDのR&Dを強化し、技術力を高め製品ラインアップを充実させたい考えだ。また、両社の提携により顧客にワンストップサービスを提供できるようになり、欧米での市場シェア拡大が期待できるとメリットを語った。

 潘董事長は、産業用SSDは、POS(販売時点情報管理)システム、交通システム、医療機器などモノのインターネット(IoT)関連分野で急速に成長していると指摘。クラウドコンピューティングの需要増でメモリー需要が高まることも見込んでいる。

 ファイソンはSSD市場を、▽産業用▽電子機器受託生産メーカー向け▽小売り販路向け▽企業向け──の4分野に分けて展開している。このうち電子機器受託生産メーカー向けと小売り販路向けで米キングストン・テクノロジー、東芝と提携し、既に安定した地位を築いている。企業向けもサーバー商機を狙って有望な提携パートナーと交渉中で、今年上半期にも成果が出る見通しだ。SSD市場展開を積極化することで、ここ5年300億〜330億元で推移する年間売上高の積み増しを目指す。

中国にR&D拠点設置へ

 潘ファイソン董事長は同日、今年中国にR&Dサービス拠点を設置する計画を明かした。中国の強いSSD需要の取り込みに加え、台湾におけるR&D人材不足の解消を図る。

 潘董事長は、中国SSD市場の潜在成長力は欧米に匹敵すると述べ、スマートシティー関連のインフラ整備、IoTの発展でデータセンター、企業向け小規模サーバーなどの需要が伸びていると指摘した。

 ファイソンは製品計画が5年先まで立っており、人材需要を満たすため中国内陸部にサービス拠点を設けて経営の現地化を進める計画だ。将来的には中国での株式公開(IPO)も視野に入れている。 

【表】