ニュース 社会 作成日:2015年1月26日_記事番号:T00055093
日本の小正月に当たる元宵節(旧暦1月15日)には、台湾各地で「天灯」と呼ばれる紙製の熱気球を夜空に放つ民俗行事が行われるが、「天灯の故郷」として観光地化している新北市平渓区では一年を通じて観光客が天灯飛ばしを楽しむことができる。しかしその平渓区では火災が多発しており、その原因を天灯の火と考える地元住民の間で「公然たる放火だ」などと不満が高まっている。
平渓区の観光スポット「十分老街」で天灯飛ばしを楽しむ旅行客(YSN)
台湾で現在、2011年の消防法改正を受け、天灯飛ばしは許可制となっており、無許可で行った場合は3,000台湾元の罰金が科せられる。ただ、天灯飛ばしを目的に大勢の観光客が訪れる平渓区については新北市政府が同年、条例を定め、全土で唯一、観光客が許可なく天灯を放つことができる専用エリアを設けた。
現在、平渓区では1カ月に約3万個の天灯が放たれているが、地元の民宿経営者が「ここ3カ月でバイク2台、公衆トイレ、住宅のエアコン室外機が天灯の火で燃えた」と憤るように、トラブルも相次いでいる。
こういった火災は、天灯とともに記念写真を撮りたがる観光客の意向に合わせて、点火した後、地上に留めおく時間が長引くため、空に放っても上手く上昇せず、墜落することが原因で起きているようだ。さらに一部業者が燃料に粗悪な油を使用していることも一因とされる。
この他、平渓区では山火事も多発しているが、燃え跡から天灯の残骸が発見されても誰が飛ばしたものか特定することはできず、被害者は賠償を受けられないため、批判の声が上がっている。
ただ、一方で観光客向けに天灯飛ばしのサービスを提供する業者は「天灯が火災原因となるというのはうわさにすぎない」と反発。「天灯は熱気球と原理が同じで、火種が燃焼している間は上昇を続け、燃料が燃え尽きて初めて落下する」と説明している。
新北市消防局の統計によると、平渓区で報告される天灯の火を原因とする火災は毎月1〜2件程度だという。これが多いとみるか少ないとみるかは意見が分かれると思われるが、地元住民が迷惑を感じる現状には改善の余地があることは間違いなさそうだ。
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