ニュース 建設 作成日:2015年1月27日_記事番号:T00055135
柯文哲台北市長の就任後、同市のBOT(建設・運営・譲渡)方式によるインフラ事業の妥当性が議論を呼ぶ中、遠雄企業団(ファーグローリー・グループ)の趙藤雄董事長は27日、台北市の松山たばこ工場跡地での台北文化体育園区(台北ドーム)について、「違法や契約違反はなく、暴利も上げていない」と主張する新聞広告を掲載した。27日付自由時報が報じた。
3C(コンピューター、通信、家電)製品の大型販売店「三創生活園区」をめぐり、柯市長と対立する鴻海科技集団(フォックスコン)が期限内に入札資料の公表を求める新聞広告を掲載したのとは異なり、遠雄は今回の広告で「事実と真相を明らかにしたもので、柯市長や市政府に対するものではない」と強調し、市政府との対決は避けている。
これに先立ち、柯市長と趙董事長は21日に会談し、台北文化体育園区のBOT契約について、契約内容の見直し、年末までの完工などで合意していた。
台北ドームをめぐる紛争は、2004年に市の企業選定審査委員会によって、遠雄主導の「台北巨蛋企業聯盟」が最優秀事業申請者として選定された後、市政府との契約前日に経営理念が合わないという理由で劉培森建築士が同陣営から離脱したことにさかのぼる。
これについて、趙董事長は「劉培森建築士に繰り返し勧誘を受け、台北ドーム事業に参加したが、劉建築士が契約前夜に巨額の金銭、さらに大規模なドーム建設計画、50年間の独占的営業権を契約に盛り込むよう要求した。入札や建設運営資金、契約履行保証金を全て遠雄が負担しているため、(要求を)受け入れなかった結果、劉建築士とその他の協力企業が陣営から離脱し、契約が不調に終わった」と説明した。
広告はまた、事業に関する告発文書や監察院の指摘について、「監察院が挙げた39項目の問題点は契約や事実とは無関係だ」とし、「遠雄に違法や契約違反はなく、再調査で潔白が証明されることを歓迎する」と述べた。
また、工事遅延と建設費については、「建設許可が4年余り遅れ、土地引き渡し後も着工ができず、工事は合計で5年余り遅れた。遠雄は法律に従い、工期を延長でき、契約違反には当たらない」と主張。工事内容の変更も含め、建設費は当初見通しの199億台湾元(約750億円)から既に279億元に膨らんでおり、完成時点では300億元に達するとの見方を示した。
このほか、台北市政府が遠雄から権利金を受け取らないことが外部の批判を浴びていることについては、工事費に維持費を加えると、事業期間50年の負担額は466億元になるとし、「権利金に等しいものだ」と主張。金額的にも高層ビル「台北101」の権利金(207億元)の2倍に達すると指摘した。
野球場の国際規格を満たすのか?
台北ドームをめぐっては、野球場としての国際規格を満たしているかどうかにも関心が集まっているが、遠雄は台北市政府体育局に提出した資料で、「ドームは国際基準を満たしている」と説明した。また、また競技団体、中華民国棒球協会の林宗成秘書長も「ドームは野球の試合を開催でき、将来的に国際試合もここで行いたい」と述べた。
国際野球連盟(IBAF)は、本塁から両翼までの距離を少なくとも325フィート(約99メートル)、センターのフェンスまで400フィート(約122メートル)とするよう定めており、市政府と遠雄が提出した資料は基準を満たしている。市政府は今後、IBAFの専門家を招き、信頼性を確保する構えだ。
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