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イノラックス、4Kパネル首位陥落か


ニュース 電子 作成日:2015年1月28日_記事番号:T00055170

イノラックス、4Kパネル首位陥落か

 液晶パネル大手の群創光電(イノラックス)は今年、超高解像度4K2Kパネル市場における首位の座を、韓国メーカーに明け渡す可能性がある。同社の2015年4Kパネル出荷目標は1,010万枚と前年比55%増えるが、出荷倍増を狙うLGディスプレイ(LGD)、サムスン電子の各1,100万枚を下回る。昨年出荷を20倍以上増やし勢いづく韓国2社を相手に、イノラックスはこれまで以上の踏ん張りが求められる。28日付工商時報が報じた。

 市場調査会社のIHSディスプレイサーチは、今年の4Kテレビの世界出荷台数は3,200万台以上で、前年比50%以上増えると予測。テレビの大型化を追い風に4Kテレビの需要が強まるとみている。これを受けて今年の4Kパネル出荷枚数は、パネル各社が強気目標を掲げていることもあり、4,200万枚以上へと前年比で倍増するとの予測だ。

 友達光電(AUO)は今年、より幅広く顧客を開拓し、4Kパネル出荷で400万枚を目指す。中国メーカーでは、深圳市華星光電技術(CSOT)は350万枚、京東方科技集団(BOEテクノロジーグループ)は200万枚を目指す。両社とも今年第8.5世代工場を稼動させ、新たな生産能力を武器に4Kパネルに注力するとみられる。

14年、韓国勢シェア首位に

 14年の4Kパネル世界出荷枚数は2,000万枚と前年比で約7倍に増えた。パネル各社が4Kパネルの出荷を積極化し、サイズが充実したことに加え、価格も手頃となったためだ。このうちイノラックスの出荷枚数は650万枚と、前年より3倍以上に増やしシェア首位を維持。他社に先駆けて4Kパネル市場を開拓した同社は製品ラインアップが最も充実している。一方、AUOの出荷枚数は160万枚。前年の4倍に増やしたが、生産能力が限られた他、日韓テレビブランド大手をターゲットに定めたことでハイスペック製品が主となり、出荷規模が相対的に小さかった。

 一方、韓国勢は低価格の4Kパネル投入で出荷が大幅に増え、LGDの昨年出荷枚数は490万枚と前年の49倍に、サムスンは400万枚と前年の約20倍に増えた。合計では890万枚となり、台湾2社の合計810万枚を上回った。台湾勢の合計シェアは昨年第2四半期に韓国勢に逆転されていたが、通年でも後塵を拝した格好だ。

【表】