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高雄刑務所で受刑者立てこもり、全員銃自殺で幕引き


ニュース 社会 作成日:2015年2月12日_記事番号:T00055451

高雄刑務所で受刑者立てこもり、全員銃自殺で幕引き

 高雄市大寮区の高雄監獄(刑務所)できのう(11日)午後3時40分ごろ、受刑者6人が警備室に押し入って銃と実弾を奪い、刑務所長ら2人を人質に脱獄を図るという事件が発生した。現場に駆け付けた大勢の警官や兵士と刑務所の塀を挟んで約14時間にわたるにらみ合いの末、逃亡を諦めた6人は全員が銃で自殺した。


解放された陳刑務所長(左奥)。前代未聞の事件は台湾全土を震撼(しんかん)させた(12日=中央社)

 脱獄を図ったのは有力暴力団「竹聯幇」の幹部で、殺人などの罪で懲役28年の判決を受けた鄭立徳受刑者(47)を主犯格とする6人で、いずれも凶悪事件を起こして収監され、刑期が20年以上の受刑者ばかり。

 陳世志刑務所長と王世倉戒護(警備)科長を人質にした6人は、刑務所横側の出口から逃亡しようとしたが、既に現場に到着していた特殊部隊の300人を含む大勢の警官や軍の狙撃手に阻まれ、長時間にわたりにらみ合いが続くこととなった。

 6人は所内へ説得に向かった李栄宗・元高雄市議に対し、5項目の訴えを記したメモを手渡し、これを法務部矯正署長がテレビで読み上げれば、人質を解放するとの条件を提示。同日午後11時に要求通り読み上げられたが、きょう午前3時40分ごろになって王戒護科長だけが解放された。

 なお6人の訴えの内容は、先月、「仮病」で自宅療養が認められた陳水扁前総統と同様の処遇や所内での労働に対する報酬の改善を求めるものだった。

 その後、警察は鄭受刑者の母親や子供を通じて投降するよう呼び掛けたが効果はなく膠着(こうちゃく)状態が続き、6人は上空を旋回するメディアが派遣したヘリコプターに向けて発砲するなどいら立ちを募らせていった。

 そして午前4時41分、6人は刑務所東側の門から強行突破を試み、これを阻もうとする警察との間で銃撃戦が発生。20発以上の銃声が響いた。しかし突破は成功しなかったことから4人が自らを撃って自殺。さらに4時57分、鄭受刑者と残りの1人も自殺し、約14時間に及ぶ事件に幕が下りた。なお人質となっていた陳刑務所長は無事だった。