ニュース 社会 作成日:2015年3月2日_記事番号:T00055584
スマートフォンやタブレット端末などモバイル機器の普及が進み、台湾の飲食店では無線LAN(Wi-Fi)の無料提供が当たり前となりつつあり、端末を片手に食事をする光景を目にすることが増えている。こうした中、ハイテク産業の中心地、新竹で客に食事中の会話を楽しんでもらおうと、Wi-Fiの提供をかたくなに拒み続けている朝食店が存在する。
黄波さんと蔡淑恵さんの夫婦が11年前から新竹県竹北市で経営する「洛印朝食店」では、最近、店を訪れた客から「Wi-Fiのパスワードは?」と聞かれることがめっきり増えたそうだ。同店ではWi-Fiを提供していないと伝えると、相手から意外そうな表情を示されたり、さらには「時代遅れだ」と不満を訴えられることもあるという。
しかし、Wi-Fiが使用できなくとも、第3世代移動通信(3G)回線を利用して食事中にスマホで交流サイトをのぞいたり、写真を撮ったりと、画面から片時も目を離さず、同伴者や他の客とまったく口も聞かないという客が大勢いるそうで、黄さんは「以前はもっと人と人のつながりがあった」と嘆く。
そこで夫婦は断固としてWi-Fiを提供しないと決意し、さらに店の入口に「当店にWi-Fiはありません。そばにいる人と会話しましょう」との掲示を出した。このポリシーには「家族との会話が増えた」などと賛同する人も多いようで、わざわざ隣町から同店にやってくる客も少なくないそうだ。
スマホは1台でさまざまな機能を兼ね備えた文明の利器。現在、外出時には財布以上の必需品となっている。しかし精神科医によると、いったんスマホを忘れると不安になったり、イライラするなど依存症とも考えられる症状もみられるようになっているそうだ。
機械を便利に使うつもりが機械に支配され、身近な人との関係が疎遠になってしまっては本末転倒だ。食事中くらいはスマホの画面から顔を上げ、友人や家族のいる目の前の世界を大切にしたいものだ。
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