ＩＣ設計最大手、聯発科技（メディアテック）は１日、バルセロナで２日（現地時間）に開幕するモバイル業界の見本市、モバイル・ワールド・コングレス（ＭＷＣ）のプレスイベントにおいて、スマート端末、モノのインターネット（ＩｏＴ）、ソフトウエア、医療など半導体エコシステム（生態系）に関連する新興企業に投資を行うベンチャーキャピタル（ＶＣ）子会社、「メディアテック・ベンチャーズ」を立ち上げると表明した。初期段階で３億米ドルの資金を準備する。２日付工商時報が報じた。
メディアテックの顧大為財務長は、ＶＣ子会社を通じて新興企業の創業者のネットワークを形成し、共同で段階的にエコシステムを確立し、産業界における同社の影響力、企業価値を向上させたいと語った。
なお同イベントでメディアテックは、ＡＲＭの64ビット・プロセッサーコア「Cortex-A72」を採用したタブレット端末向け新ＳｏＣ（システム・オン・チップ）「MT8173」を発表した。同製品の発売で、インテルによるタブレット端末向けチップを通じたモバイル端末市場でのシェア拡大を食い止める可能性があるとみられている。
なおメディアテックの謝清江総経理は、今年の第４世代移動通信システム（４Ｇ）対応チップの出荷量について、前年比倍増となる１億5,000万セットを目指すと表明。これを達成すれば中国携帯電話メーカー向け市場におけるシェアを40%まで拡大することになる。
