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大気汚染深刻、徒歩の健康被害リスク高く


ニュース 社会 作成日:2015年3月3日_記事番号:T00055616

大気汚染深刻、徒歩の健康被害リスク高く

 中国から飛来する微小粒子状物質(PM2.5)による大気汚染が台湾でも深刻化する中、市民が都市交通システム(MRT)、バス、自動車、徒歩で移動した場合の健康への影響をそれぞれ比較したところ、徒歩移動の場合、心血管機能悪化リスクがMRT移動の場合に比べ8.65倍高いとする研究結果が示された。3日付自由時報が伝えた。

 台北医学大学公共衛生学部の荘凱任副教授(准教授)はこのほど、19~24歳の若者120人を通勤方法ごとにMRT、バス、自動車、徒歩の4グループに分け、2年間にわたり台北駅からMRT永春駅までの移動について、心電図、騒音・大気汚染測定機器を携帯してもらい、健康リスクを調べた。

 その結果、PM2.5濃度は少ない方からMRT(1立方メートル当たり22.3マイクログラム)、自動車(29.2マイクログラム)、バス(32.2マイクログラム)、徒歩(42.1マイクログラム)の順だった。同時に心電図で心拍数の変化を調べたところ、徒歩では11.6%の低下が見られた。心拍数低下の割合はMRT移動者に比べ8.65倍高かった。

 荘副教授は「徒歩の健康リスクが最も高いことが証明された。徒歩や自転車での移動ではマスクをするなどの対策を施してほしい」と呼び掛けた。

工場、PM2.5の想定予測義務

 行政院環境保護署(環保署)は、企業が工場を新設、拡張する際、PM2.5の排出増加量が法定上限を超えないことをコンピューターによるシミュレーションで証明し、環境影響評価委員に示すことを義務付ける方針だ。6月までに実施する。

 これまでは粒子状物質(PM10)のみがシミュレーションの対象だった。今回の措置は来年にも「PM2.5大気汚染防止地区」が指定されるのに合わせ導入されるもので、近く関連規定が改定される。