ニュース 電子 作成日:2015年3月3日_記事番号:T00055637
スマートフォン大手、宏達国際電子(HTC)は2日、バーチャルリアリティー(仮想現実、VR)対応のヘッドマウントディスプレイ(頭部装着ディスプレイ、HMD)「HTC Vive」を発表した。同社初のゴーグル型ウエアラブルデバイスで、王雪紅(シェール・ワン)董事長は「VR市場は今後10年重要な発展を遂げ、商機は無限」と期待感を示した。利益の薄いスマホ以外の事業を開拓する戦略の一環だ。3日付経済日報などが報じた。
周執行長はHTC Viveを手にし、テレビ同様にVR対応製品が一家に1台備えられることが目標だと語った(2日=中央社)
VRとはコンピューターグラフィックスや音響効果を組み合わせ、人工的に現実感を作り出す技術で、40年にわたる技術開発の歴史を持ち、ウエアラブル(装着型)端末などの発展に伴い、医療やゲームなどへの応用拡大が注目を集めている。バルセロナで開幕したモバイル業界の見本市、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)での新製品発表会で王董事長は、同社の技術はライバル企業を大きくリードしていると自信を見せた。
ゲームから医療分野も
HTC Viveは、米コンピューターゲームメーカー、バルブ・コーポレーションとの提携で開発した。片目当たりの解像度は1,200×1,080ピクセル。70個のセンサー搭載で360度のトラッキングが可能。早ければ年末の発売を予定する。価格は未定だが、「手頃な価格を実現する」と周永明(ピーター・チョウ)執行長は宣言した。
バルブとの提携について周執行長は、VR市場においてゲーム向け製品は潜在成長力が高く、参入が容易と説明。バルブは1億2,000万人のアクティブユーザーを抱えており、将来的に同製品の顧客になり得ると語った。
HTC Viveは初期段階ではゲーム向けに開発するが、提携パートナーには国立故宮博物院も名を連ねている。グーグルや米ケーブルテレビ局のHBOとの提携による、エンターテインメント、教育、医療などへの展開も視野に入れる。周執行長は、3年以内にVRの関連インフラや環境が整い成熟市場になるとの見方も示した。
ウエアラブル端末も発表
HTCは同社初をうたうウエアラブル端末「HTC Grip」も発表した。米スポーツ用品ブランド、アンダーアーマー(UA)との提携で実現し、スポーツ向けのリストバンド型製品だ。発売は北米の一部で今春を予定している。同業各社が相次いでウエアラブル製品を投入する中、参入が遅れたことについて周執行長は、長年研究を重ねてきたが、5世代製品を開発するまでは発売しない方針から現在に至ったと説明した。
HTCはここ数年、主力のスマホは世界シェアが落ち込み業績が悪化。立て直しを図るため、周執行長主導の下、スマホ以外の製品の研究を重ねてきた。HTC Vive、HTC Gripは満を持して投入した格好で、高い期待をかけている。
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