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12.9インチiPad、量産9月に延期か


ニュース 電子 作成日:2015年3月6日_記事番号:T00055722

12.9インチiPad、量産9月に延期か

 アップルのタブレット端末「iPad」の大型機種(12.9インチ)の量産時期が、当初予定の第1四半期から今年9月へと延期になるもようだ。複数の関係者の話を基にブルームバーグが報じたもので、液晶パネルの生産の遅れが主因とみられる。これにより、サプライチェーン入りしているとされる組み立ての鴻海精密工業や、タッチパネルの宸鴻集団(TPKホールディング)、フレキシブル基板の嘉聯益科技(キャリア・テクノロジー)などの第1四半期業績に影響が出る見通しだ。6日付経済日報などが報じた。

 大型iPadの液晶パネルは、シャープ、ジャパンディスプレイ(JDI)、LGディスプレイ(LGD)が手掛けるとされる。関係者は、iPadでは従来、アモルファスシリコン(a-Si)技術を採用していたが、大型化で消費電力が増加することから、酸化物半導体TFT(Oxide TFT)に変更した指摘。ただ、良品率が高くないことから3社の生産に遅れが生じたとみられている。

遅れは戦略との見方も

 大型iPadの発売は第4四半期や来年初めにずれ込むとの見方も浮上している。サプライチェーンは大型iPadに、低迷するタブレット市場の起爆剤として、また、次世代スマートフォン「iPhone6s」の発売前の業績けん引役として期待をかけていたが、証券会社は、台湾サプライチェーン各社の業績への貢献は遅れるとの見方を示した。組み立てを独占受注するとされる鴻海については、上半期の売上高は思わしくないが、下半期から大幅成長すると予測した。一方、タッチパネルの貼り合わせで主力サプライヤーのTPKの第1四半期売上高は前期比25~30%減、嘉聯益は24~26%減、筐体の可成科技(キャッチャー・テクノロジー)は15%減と、それぞれ大幅減収に見舞われるとの見方を示した。

 一方、大型iPadの量産延期は、iPhone6とiPhone6プラスのライフサイクル延長や、クリスマス商戦の目玉商品にすることを狙ったアップルの「戦略」だという指摘も出ている。

ビジネス向けに特化か

 なお、アップルは大型iPadに関する計画を一切公表していないが、市場では各種観測が浮上しており、初めてビジネス市場向けに特化した機種との見方が有力だ。同社は昨年IBMと提携し、iPhone、iPad向けの「IBM MobileFirst for iOS」を銀行、小売りなどの各種業界向けに提供を開始し、多くの企業がiPadを調達する成果を生んだ。ソフト面の環境を整えたことから、ビジネス市場で大型iPadは、ノートパソコンに取って代わる存在として需要を得られると期待されている。

 市場調査会社のIHSディスプレイサーチは、企業や政府機関などによるiPad調達台数は、2013年の1,900万台から18年には1億100万台へと大きく成長すると予測している。

【表】