ニュース 社会 作成日:2015年3月9日_記事番号:T00055724
「これがバナナのつぼみです」──。高雄市旗山区のあるバナナ農園には、大勢の日本人観光客を前に汚れた作業着をまとい、素足で熱心に説明する中年男性の姿がある。この男性、張宏士さん(50)は本物のバナナ農家で、数年前に日本人観光客に自身の農園を見学させ、ボランティアで説明役を務めたことが高い評価を受け、現在、同農園は1日に3団体が訪れるほどの人気スポットとなっている。
5~6年前、ある旅行会社から、日系企業の社員が休日に出掛けるところがなくて困っているため、農園を見学させてやってくれないかと頼まれた張さんは、無料で農園を見学させた上、自らガイド役も買って出た。
その時の評判が日本人ツアーを扱う他の旅行会社にも伝わり、その後、同農園をスケジュールに組み込みたいとの申し出が相次いだ。張さんはこれも気前よく承諾。入園料も無料で、観光客1人にバナナを1本プレゼントする太っ腹っぶりを見せた。
張さんのガイドとしての評価が高かったこともあり、2年目には10団体以上が農園を訪れたことから、旅行会社は無料では申し訳ないと考えて1団体当たり2,000台湾元、5~6人の小規模ツアーの場合は1人当たり100元のガイド料を支払うようになった。
張さんは毎回、観光客に対し、バナナの栽培、収穫から熟成までの過程を約2時間かけて説明することにしているが、何度も観光客を率いて同農園を訪れているツアーコンダクターは「何度来ても新しい話が聞ける」と賞賛する。張さんは「その時の気分で話しているだけだよ」と照れ笑いだ。
ただ相手に正しい情報を伝えることには強いこだわりがあるようで、通訳が間違った説明をしようものなら、これまでの経験で覚えた少しばかりの日本語力を基にすかさず訂正を入れる。
現在では張さんの農園を訪れる観光客は年間200団体を超え、時には日本の社員旅行で8台の観光バスがやってきたこともある。それでも農家が本業の張さんは「自分の足で畑を感じたい」と素足で歩き、洗っても落ちないバナナの汁にまみれた作業着のいでたちを変えることはなく、時には浮浪者と間違われたこともあるそうだ。
そんな本物のバナナ農家の話が聞ける農園を体験しに、一度足を運んでみてはいかがだろうか。
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