ニュース その他分野 作成日:2015年3月11日_記事番号:T00055812
金融監督管理委員会(金管会)が10日、上場・店頭公開企業(1,502社)を対象に行った賃上げに関する緊急アンケートで、回答した約1,300社のうち6割近くが今年賃上げ実施を予定していることが分かった。好景気で人材確保が課題となる中、企業は待遇改善を競っており、多くのサラリーパーソンが恩恵にあずかる見通しだ。11日付蘋果日報などが報じた。
金管会の調査によると、上場企業815社中、回答した714社のうちの5割以上が今年賃上げを予定しており、平均賃上げ幅は3~5%。店頭公開企業は687社中、550社以上が回答した。今年賃上げする予定は6割で、そのうちの2割近くは既に賃上げを実施済みだ。賃上げ幅は平均3~4%で、最高は7%、最低は0.5%未満だった。
昨年業績の良かったハイテク、金融業界では特に賃上げの動きが目立つ。ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、例年通り4月に賃上げを予定しており、上昇幅は平均2~4%の予測だ。パソコン大手の宏碁(エイサー)、電子機器受託生産大手の和碩聯合科技(ペガトロン)も尾牙(忘年会)で賃上げを宣言している。金融業界の賃上げ幅は平均3~4%とみられる。
食事手当、非課税範囲拡大
企業の賃上げ促進を図るため、財政部は10日、一般企業や弁護士、会計士などの執行業務者における食事手当の非課税範囲を現在の1人当たり月1,800台湾元から2,400元(約9,200円)へと引き上げることを発表した。今年1月1日にさかのぼって適用する。これにより、1人当たりの所得税額が360~3,240元減少、従業員にとって節税に加え賃金上昇の余地となる。最大で672万人が恩恵を受ける見通しだ。
企業側も拡大範囲の全てを費用として控除できる利点がある。ただ、賃金の一部を食事手当に充て、賃金を抑制する企業も現れることが懸念されることから、財政部は賃上げや従業員の福利厚生充実が目的と強調し、そうした手段に出ないよう呼び掛けている。
これに先立ち毛治国行政院長は企業との座談会で、外食費は1986年以降87.11%上昇していることから、食事手当の非課税範囲を3,400元に引き上げたいとの考えを示し、財政部に検討を指示していた。なお、非課税範囲の拡大により、税収は年間で28億元減る見通しだ。
賃上げ強制に反対=商工団体
与党国民党は賃上げ関連法案4本を今会期で処理する方針を示している。企業従業員への利益分配強制を盛り込んだ労働基準法改正案などが含まれており、違反した場合、最高500万元の罰金を課す内容だ。これに対し各商工団体の代表はそろって「賃上げは強制されるものではなく、企業に決定権がある」とした上で、「来年の総統選や立法委員選に向けたバラマキだ」と批判の声を上げた。中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の許勝雄理事長は、企業が従業員のことを考えるのは当然だとして、「利益が出れば従業員に還元することには賛成だが、法律で決めることではない」と語った。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722