ニュース 社会 作成日:2015年3月13日_記事番号:T00055843
林智堅新竹市長が12日、フェイスブック(FB)上に開設している自身のページに「動物園のトラが失踪した」と書き込み、これを見たネットユーザーによって情報が拡散し、市内に緊張が走った。実はこれ、動物園をPRするための冗談で、事実を知った市民らから「軽率過ぎる」などと批判が相次いだ。
林市長のFBサイト。思惑通り新竹市立動物園の注目度は上がったが、林市長への信頼度は下がってしまった(12日=中央社)
1936年開園と、台湾で最も長い歴史を持つ新竹市立動物園では現在、老朽化した獣舎の補修のため、トラやオラウータンなどを一時的に台北市立動物園など別の施設へ移している。
このリニューアルをPRしようと林市長は12日午前10時半ごろ、動物園から逃げ出した動物たちを描いた人気アニメ映画『マダガスカル』を模倣し、FBに「オラウータンとトラが動物園からいなくなった。現在、監視カメラを調べて行方を追っている」などと書き込んだ。
これを見て本当にトラが動物園から逃げ出したと勘違いしたネットユーザーによって一気に情報が拡散。市民の間に不安が広がり、注意を呼び掛け合う事態となった。
書き込みから約30分後、蘋果日報が動物園を監督する新竹市産業発展処に問い合わせたところ、この書き込みはPR目的で、実際にはトラは逃げ出していないことが確認された。
しかし林市長のFBページでは4時間以上、何の説明もなされず、同日午後3時前になってようやくページの管理者名義で釈明と謝罪が掲載された。メディアの取材に対し市長は「FBを管理しているのは若い支持者で、彼はゆるキャラのくまモンを広報活動に活用している日本の熊本県を参考に、新竹市と動物園をPRしようと今回の書き込みを行った」と説明し、「市民を驚かせた」として謝罪した。
今回の騒動に対しては、「市長が市民を怖がらせるような情報を流すとは思慮が足りない」「責任を管理人に転嫁するな」などと批判が広がっている。
林市長は40歳と台湾最年少の首長で、昨年末の就任以来、斬新な政策を相次いで打ち出しているようだが、「市のため」とは言え、今回のような手法を常用すれば「オオカミ少年」ならぬ「オオカミ市長」と呼ばれて、信用を失うことになりかねない。
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