ニュース 社会 作成日:2015年3月16日_記事番号:T00055868
長い棒の先にカメラやスマートフォンを取り付け、手元でシャターを操作する「自撮り棒」。撮影者自身を含む写真を撮るのに便利だとして世界中で使用が広まりつつあるが、各国の美術館などでは他の参観者の迷惑となったり、作品を傷付ける恐れがあるとして利用を禁止されるケースが相次いでいる。こうした中、台湾でも台北市立美術館、国立台湾美術館(台中市)、高雄市立美術館といった主要美術館が「禁止令」を敷くことを決めた。
米ニューヨーク市のメトロポリタン美術館も先月、参観者と展示物の安全性への懸念から自撮り棒を禁止した(中央社)
国立台湾美術館は13日、「展示場の参観品質保持および安全のため、自撮り装置の利用は控えてください」と記された掲示を入口に張り出した。これについて同美術館教育推広組の王婉如組長は「当館では一部展示エリアで写真撮影を許可しているが、最近、参観者による自撮り棒の利用が増えたため、作品に接触する危険性を考慮して禁止を決めた」と説明した。なお、同館では自撮り棒の他、三脚やフラッシュの使用も禁じている。
なお、既に台北市立美術館および高雄市立美術館も、自撮り棒の使用禁止を参観規定に明文化している他、故宮博物院は従来より全面的に写真撮影が禁止されているため、台湾の主要美術館全てで自撮り棒が使用できないことになった。
こうした措置について市民からは、「自撮り棒を使って撮影されると、撮影が終わるのを待たなければならず、気分が悪い」、「自撮り棒が作品を傷つける可能性もある」などとして賛同する声が多いようだ。中には「レストランや百貨店でも禁止してほしい」という意見もみられた。
ただ一方で、「自撮り棒の使用は難しくなく、人に迷惑をかけたりする可能性は低い。水筒を携帯したり、大きなリュックを背負って美術館を参観する者に比べれば害は少ない」などの理由で「禁止はやり過ぎ」といった声もある。
いずれにせよ、自撮り棒の使用で他の参観者に迷惑をかけたり、作品を傷つけたりしないよう注意するべきとの認識は共通しているようだ。自撮り棒を使用する際は、自分がカメラにどう写るかを気にする前に、他人の目にどう映るかにも注意した方がよさそうだ。
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