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30年ぶりの低温被害、澎湖で大量の魚が死亡


ニュース 社会 作成日:2008年2月20日_記事番号:T00005595

30年ぶりの低温被害、澎湖で大量の魚が死亡

 
 台湾海峡に浮かぶ澎湖諸島の沿岸では、今月8日頃から、寒波の影響を受け低温によって死亡した大量の魚が打ち上げられ、腐臭が漂っている。澎湖では1977年にも同様の事態が発生したが、今回は貝、タコ類までも含む全ての魚類が低温死するという深刻な状態だ。海底で死んだまま海面に浮き上がってこない魚も多く、被害の全体像はまだつかめていない。

 これを受け王乾発澎湖県長は19日、県職員200人余りを動員し、自ら陣頭指揮をとって海岸の清掃を行った。低温死した魚はたった3分間でバケツがいっぱいになるほどで、拾っても拾ってもきりがない。3時間で拾い上げられた魚は、なんと18トンにも上った。

 県民の中には低温死した魚を拾い、自分で食べるだけでなく、魚市場へ売りに行った人も多く、魚市場は一時、低温死した魚がはんらんした。海岸に打ち上げられた魚は大部分がフグだったが、澎湖諸島では初めて見られたものが12種類あり、そのうち6種類は図鑑などにも記載がない珍しい魚で、今回の寒波の強さがうかがわれる。

 台湾では長引く寒波の影響で、全土的に漁業、養殖業の被害が出ているが、四面を海に囲まれている澎湖諸島の被害が最も深刻だ。行政院農業委員会澎湖水産試験所は、摂氏10度以下の寒波で沿岸の食物連鎖が破壊されてしまったため、澎湖では向こう3年間は魚不足が深刻になるだろうと予測。魚の価格の高騰は避けられない見通しだ。漁業と観光業が主要産業の澎湖諸島の住民にとっては、死活問題となる。