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新北板新・桃園で給水制限強化、4月より「5日給水2日断水」


ニュース 公益 作成日:2015年3月20日_記事番号:T00055998

新北板新・桃園で給水制限強化、4月より「5日給水2日断水」

 経済部水利署は19日、4月1日から桃園市、新北市(板新、林口地区)の給水制限を第3段階の隔日断水(5日給水2日断水)に移行すると発表した。新竹科学工業園区(竹科)のファウンドリー、液晶パネルメーカーをはじめとする製造業、飲食店、ホテルなどサービス業、市民292万人など、企業、家庭を問わず影響が及ぶ見通しだ。行政院主計総処は、もし水不足が続き、給水制限の対象地域が拡大すれば、個人消費、企業生産、輸出にマイナスに働き、今年の経済成長に打撃を与えると懸念している。20日付経済日報などが報じた。


毛行政院長(右)は、第3段階の給水制限を4月に繰り上げたのは、中央気象局が今年は空梅雨の可能性があると予測しているためと語った(19日=中央社)

第4段階も視野

 干害中央災害対策センターは同日、第2回会合を開き、給水制限の拡大を決定した。水利署は、台湾は過去67年で最も深刻な渇水に直面しており、第3段階の給水制限を4月1日に前倒しする他、3月23日から桃園市、新北市(板新、林口地区)、苗栗県の工業用大口使用者に対する給水制限を7.5%から10%に引き上げ、残りの第2段階の給水制限地域(新竹県市、台中市、彰化県北部、台南市、高雄市)の工業用大口使用者に対する給水制限を5%から7.5%に引き上げると発表した。

 水道公社、台湾自来水(台湾ウオーター)の王国堅副総経理は、桃園市は週末の土日に断水する予定で、新北市の板新地区は2地区に分け順番で断水とするが、時期は調整中と話した。

 楊偉甫・経済部次長は、もし水不足がさらに深刻化すれば、「3日給水2日断水」に切り替え、それでも解決しなければ、台風シーズンの到来まで、給水車が給水所で水を配給する第4段階の給水制限に移行する可能性も否定できないと語った。

「水が買えない」

 経済部工業局の調査によると、第2段階、第3段階の給水制限で影響が及ぶのは32カ所の工業団地の企業2,680社。業種別では、電子、化学材料、基本金属、紡織、石油化学、製紙業に影響が大きい。

 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、水の供給元を確保してあり、必要時に供給が受けられると説明した。聯華電子(UMC)も準備してあるとした。液晶パネル大手の群創光電(イノラックス)は、竹南工場で給水制限が10%に引き上げられ、一部生産ラインに影響が出るが、あらかじめ水の運送車両を予約してあると説明した。プリント基板(PCB)最大手、欣興電子(ユニマイクロン・テクノロジー)は、短期的に影響は出ないが、もし1カ月以上続けば、新たな対策が必要と指摘した。

 いまやメーカーにとって、「金を払っても水が買えない」のが最大の懸念事項だ。水の運送会社は、もはや受注が満杯で、きのうも10件以上の引き合いがあったが断らざるを得ないと語った。

政府が水節約で数値目標

 毛治国行政院長は、今後10年で▽生活用水、4億トン▽農業用水、6億トン▽工業用水、1億トン──を節約する目標を掲げた。生活用水使用量を1日1人当たり268リットルから240リットルに、漏水率(漏水量の年間配水量に占める割合)を18%から14%に引き下げ、工業団地での回収率(回収水の淡水使用量全体に占める割合)を69%から75%に引き上げる。これに向け渇水期に高めの水道料金を設定することや、来年1月より大口使用者に対し、月10〜30%の「水使用料」を上乗せ徴収することを検討する。石油化学、基本金属、製紙、紡織、電子業など5,742社が対象となる見通しだ。

 楊経済部次長はまた、4月1日より2カ月ごとの水道料金が前年同期より安ければ、翌2カ月の水道料金を割り引く制度を明らかにした。経済部はこれに加え、来年から省エネマークの付いていない便器や洗濯機、水道の蛇口などの販売を禁止する計画だ。

【表】