ニュース 運輸 作成日:2015年3月27日_記事番号:T00056123
破産懸念が強まっている台湾高速鉄路(高鉄)は26日董事会を開き、新たな財務改善プランを決定した。累積損失の解消を目的として60%の減資を実施後、300億台湾元(約1,100億円)の増資を行うことが柱だ。今後は同プランが立法院や既存株主の同意を得られるかが焦点となる。27日付経済日報が報じた。
増資の内訳は、一般市民から192億元、労工保険基金などの特定基金が78億元、社員が30億元となる。増資への応募が目標に達しない場合は、既存株主が引き受ける。増資後は株式上場を予定している。高鉄側の試算では内部収益率(IRR)は年4.9%を見込む。増資時の既存株主の優先引受権を見直し、市民から広く出資を募る点が特徴だ。
運賃値下げも
新プランはまた、事業権を2068年まで35年間延長することで、投資回収に余裕を持たせ、運賃を値下げすることも盛り込んだ。実現すれば、台北~左営(高雄市左営区)の普通運賃は現在の1,630元から1,490元に引き下げられる。
新プランは交通部に提出され、4月中旬にも立法院で審議される。その上で、6月末の定時株主総会で決定される。
旧プランは既存株主の既得権を重視し過ぎているなどといった意見に配慮して、見直しが図られたため、新プランは旧プランより同意が得られる可能性は高いとみられるが、野党民進党からは依然「新味がない」といった意見も出ており、立法院審議は紛糾も予想される。
また、減資を強いられ、増資の優先引受権も得られない既存株主にとって、新プランはまったくうまみがないため、最終的に株主総会で新プランへの賛成が得られるかどうかも鍵となる。現在の株主構成では設立時からの大株主が36.68%、その他民間株主が41.18%を出資しており、政府系株主の出資比率は22.14%にすぎない。このため、民間株主が一斉に反対に回れば、新プランが否決され、高鉄が破産の崖っぷちに逆戻りする最悪のシナリオもあり得る。
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