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台湾軍ポスター、人民解放軍の画像流用が発覚


ニュース 社会 作成日:2015年3月30日_記事番号:T00056146

台湾軍ポスター、人民解放軍の画像流用が発覚

 台湾の軍隊でこのほど、徴兵義務の啓蒙(けいもう)をテーマとするポスターに、自軍兵士の勇姿として、事もあろうに仮想敵国とする中国人民解放軍兵士の画像を流用していたことが発覚し、軍事専門家などから「嘆かわしい」との声が上がっている。

 新竹県関西鎮にある陸軍歩兵部隊の駐屯地で29日、新兵の懇親会が開かれ、その際、会場には新兵の士気を高めるためのスローガンを記した横断幕や、徴兵義務の重要性をアピールするポスターが壁に張り出された。

 このポスター、「国民が兵士となり、自力で国防を強化しよう」「憲法の兵役義務を果たそう」などといった勇ましい文句とともに、銃剣をささげ持って整然と行進する兵士たちの画像がプリントされていた。

 しかしこの画像をよく見てみると、銃剣のタイプや迷彩服、ヘルメットのいずれも台湾軍が使用しているものとは異なり、実は中国人民解放軍の兵士を写したものだと分かる。

 読者からの投書を受けて蘋果日報が陸軍司令部に問い合わせたところ、確かに人民解放軍の画像が使用されていたことが確認された。陸軍の調査によると、ポスターの作成者が臨場感を出すためにインターネット上にあった画像を誤って流用してしまったことが原因のようだ。

 今回のミスは中国軍と台湾軍の装備が似ているために生じたのか、との疑問に対し軍事の専門家は「世界の軍隊でデジタル迷彩の軍服採用が進んでいるため、確かに類似度は高くなっているが、部隊で識別訓練を受ければ一目で違うものだと判断できるはずだ」と指摘。「現在、下層兵士の間では知識が深刻に不足しており、国防部はスマートフォンアプリなどを使用して敵国に関する情報を兵士にたたき込むべきだ」と訴えている。

 あまりにもお粗末なミスに対し、ネット上でも「小さな問題のように見えるが、これは実際に戦場に出た際、敵と味方の区別が付かず、敵軍の命令を受けて味方を攻撃してしまう可能性があることを意味している」、「こんなことで本当に戦えるのか」などと厳しい批判が起きている。