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台湾、AIIB参加意向書を提出


ニュース 金融 作成日:2015年4月1日_記事番号:T00056213

台湾、AIIB参加意向書を提出

 行政院大陸委員会(陸委会)の夏立言主任委員と張盛和財政部長は31日深夜、臨時記者会見を開き、台湾が中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)参加に向けた意向書を中国側に提出したことを明らかにした。AIIBの創設メンバーになるには、同日が意向表明の締め切り日だった。1日付聯合報が伝えた。


夏陸委会主任委員(左)は、意向書提出はAIIB参加への第一歩にすぎないと述べた(31日=中央社)

 台湾は陸委会が中国国務院台湾事務弁公室(国台弁)に、財政部がAIIBの準備事務局にそれぞれ参加意向書を送った。

 夏主任委員は台湾の参加名義について、「もし矮小(わいしょう)化されるなら、参加はしない」と述べたが、これまでの国際機関参加の慣例に照らし、「中華台北」という名義は受け入れる構えとみられる。

馬総統「今を逃せば、発言機会失う」

 今回のAIIB参加表明に当たっては、十分な議論が尽くされておらず、馬英九政権の独断専行だという批判がある。これについて馬総統は31日、毛治国行政院長の報告を受けた際、「今台湾が手を挙げなければ、今後発言機会さえなくなる」と述べたとされる。

民進党、密室での決定に反発

 野党民進党の蔡英文主席は「政府が完全な評価報告を示し、市民と十分な意思疎通を図り、社会の共通認識が形成された時点で、立法院による監督を受けるべきだ。参加の是非はその時点で決定すべきで、密室での決定は許されない」と批判した。

 AIIB問題をめぐり、民進党は当初、欧州の主要国も参加を決める中、台湾にとって有利ならば参加も検討可能だとの立場だった。しかし、党内から「売台(台湾を売り渡す)」行為だとする批判が出て、中台サービス貿易協定と同様にAIIB関連の審議自体をボイコットする方針に転換した。背景には来年の総統選に向け、党内分裂を避けたい思惑があるとみられる。

学生団体、総統府前で抗議

 AIIB参加問題は、馬政権への新たな抗議運動へと発展する兆しを見せている。「黒色島国青年陣線」など複数の学生団体は同日深夜、台北市の総統府前でAIIB参加に抗議する座り込みを行い、1日午前3時半ごろに警官隊によって排除された。