ニュース 社会 作成日:2015年4月2日_記事番号:T00056230
台湾全土で唯一、花蓮県玉里鎮に存在する「移動郵便局」として使用された車両が1日、17年間の任務を終えて退役した。その間の走行距離は36万キロメートルを超え、引退となったこの日、同車両に愛着を持つ地元住民が見送る中、新車両に任務を引き継いだ。
移動郵便局は子供たちに人気の動く「観光名所」となっている(1日=中央社)
玉里鎮は東西を秀姑巒渓(河川)に分断された細長い地形となっており、さらに秀姑巒渓の東側は居住エリアが分散しているため、全ての住民に利用しやすい郵便局の設置場所の選定が難しいことから、1988年にバスを使った移動郵便局サービスがスタートした。
この移動郵便局は毎日、秀姑巒渓の東側を通る県道193号線を11カ所停止しながら走行し、周辺住民にサービスを提供した。
中華郵政・花蓮責任中心局の江進達経理によると、27年前に玉里鎮でサービスが始まったころは他の県市にも移動郵便局が存在したが、2代目の車両に交代した98年には同地区だけでしか見れなくなっていた。
なお、長年、移動郵便局の運転手を務めた紀錦栄さんによると、同車両は郵便業務をこなすだけでなく、高熱を出した子供を病院まで運んだり、足の悪い高齢者を隣村へ送り届けたり、日用品の代理購入を行ったりと救急車や無料タクシーの役割も果たしてきた。
そんな移動郵便局は地域住民から非常に愛されていたようで、今回引退する2代目車両は数年前からクーラーが故障し、夏に中で働く局員は全身汗まみれで業務をこなしていたが、そんなとき、外で対応を待つ住民たちはうちわであおいだり、冷たい飲み物を差し入れたりしていたそうだ。
局員の呉昌徳さんによると、かつては移動郵便局の前に、手紙を出したり、預金をする住民たちが長い列をつくったが、交通機関の発達や人口流出に伴い、現在では停車地点1カ所で利用者は数人程度に減っているという。
利用者が少なくなったとはいえ、移動郵便局を頼りにする住民が存在する限りサービスを継続する方針で、真新しい3代目車両が今後も毎日193号線を走り続ける。
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