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UMC中国12インチ工場、来年Q3に稼動前倒し


ニュース 電子 作成日:2015年4月7日_記事番号:T00056278

UMC中国12インチ工場、来年Q3に稼動前倒し

 ファウンドリー大手の聯華電子(UMC)は、中国・福建省アモイ市に建設する12インチウエハー工場での試験生産を来年第3四半期に前倒しするもようだ。工事事務所を来月現地へ設置し、24時間態勢で建設を急ぐ。来年4月より設備を搬入し、当初は55、40ナノメートル製造プロセスによる生産となるが、2017年には28ナノプロセスによる生産も予定しており、幅広い顧客からの受注を狙う。設備メーカーの情報を基に7日付経済日報などが報じた。

 UMCの中国グループ会社、聯芯集成電路製造(アモイ)は先月末、アモイ市の火炬高新技術産業開発区(火炬高新区)で12インチ工場の着工式を行った。総投資額は62億米ドルで、16年12月から55、40ナノプロセスによる試験生産、21年12月のフル稼働を予定していた。

 設備メーカーは、UMCは稼働時期を早めて商機を獲得する構えで、同社が同工場をいかに重視しているかが分かると指摘した。

 UMCの中国12インチ工場はロジックICを中心に手掛け、月産能力は5万枚の予定。本格稼働後に第2期工事に着手し、月産能力を10万枚に拡大する計画とされる。

SMIC28ナノ遅れ、UMCに恩恵

 業界観測によると、中国の中芯国際集成電路製造(SMIC)は、28ナノプロセスによる量産入りが上海12インチ工場で早くても今年末、北京工場では来年半ば以降となる見通しで、量産計画に遅れが生じている。28ナノプロセス市場では今年、台湾積体電路製造(TSMC)は受注が満杯状態で、サムスン電子、グローバルファウンドリーズ(GF)は14ナノに注力する必要から28ナノは生産拡大を先送りするとみられ、ファウンドリー大手で唯一生産能力を増強するUMCが最も恩恵を受ける見込みだ。

 UMCは今年3月上旬、28ナノプロセスの月産能力を昨年第4四半期の1万2,000枚から1万5,000枚へと拡大したとみられ、第2四半期に2万枚、今年末に2万5,000枚に引き上げる計画だ。

 UMCの28ナノプロセスは歩留まり率が順調に改善しており、第1四半期は約90%に達した。聯発科技(メディアテック)、クアルコム、マーベル、瑞昱半導体(リアルテック・セミコンダクター)などが同プロセスを採用しており、今年は顧客20社、製品60種類のテープアウト(設計完了)が見込まれる。

Q1〜2売上高、過去最高連続も

 UMCは1~2月累計売上高が249億3,900万台湾元(約960億円)と、前年同期比22.2%増加した。証券会社は、28ナノプロセスの月産能力拡大で第1四半期の売上高は380億元以上と過去最高を更新すると予想。第2四半期も携帯電話、ネットワーク、液晶テレビ向けチップの需要が強まり、売上高は400億元に達し再び過去最高を更新するとみている。

【表】 【図】