ニュース その他分野 作成日:2015年4月9日_記事番号:T00056334
財政部統計処が8日発表した第1四半期の輸出総額は前年同期比4.2%減の702億5,000万米ドルで、6四半期ぶりに前年割れとなった。輸出総額は1〜2月時点で1.3%減となっていたが、3月も原油安の影響が続き、鉱産物を筆頭に全11品目がマイナス成長となり、第1四半期全体の輸出総額を引き下げた。財政部は、今後の輸出見通しも暗く、今年通年で3年ぶりの前年割れに転じる可能性もあると指摘。輸出不振が域内総生産(GDP)成長率を押し下げる懸念も出てきた。9日付経済日報などが報じた。
3月の輸出総額は252億7,000万米ドルで前年同月比8.9%減少した。減少幅は春節(旧正月)の影響を受ける1、2月を除き、単月としては2012年8月以降で最大だった。
品目別の輸出額では、原油安の影響で▽鉱産物、10億9,900万米ドル(前年同月比47.1%減)▽化学品、17億8,400万米ドル(11.2%減)▽プラスチック・ゴム製品、19億7,900万米ドル(7.9%減)──が大幅減となった。3品目は合計で約13億7,600米ドル減少し、輸出総額を5%減らした。なお、鉱産物と化学品の前年同月比減少は7カ月連続。
電子製品、約2年ぶり前年割れ
この他、3月は電子製品の輸出額が前年同月比0.2%減の81億3,600万米ドルとなり、2年続いたプラス成長がストップした。太陽電池の44.5%減が主因だ。一方、集積回路は5.3%増だった。
第1四半期の品目別輸出額は、▽鉱産物、30億7,300万米ドル(前年同期比47.8%減)▽化学品、47億2,500万米ドル(14.5%減)▽プラスチック・ゴム製品、52億5,400万米ドル(9.6%減)──と、同じく3品目が大幅減となった。一方、電子製品は231億8,900万米ドルで5.5%増、機械は48億7,900万米ドルで4.0%増と、まずまずの伸びを示した。
Q2も悲観的
財政部統計処の葉満足処長は、3月は例年の在庫積み増し期で輸出が伸びるはずだが、今年は明らかにおかしいと指摘した。企業の在庫積み増しが例年より遅れている可能性もあり、輸出環境そのものの悪化が原因かどうかは、4月の輸出状況をみて再度判断する必要があると述べた。ただ、統計処は、原油安と電子製品輸出の成長鈍化が続く限り、4月、第2四半期も従来予測を下回る可能性があると指摘。今年通年でも、行政院主計総処予測の前年比1.02%増達成は難しいとみている。
一方、経済日報は、米国の景気動向と台湾半導体業界の受注状況が今後の輸出パフォーマンスを左右すると分析している。
Q1経済成長率、下方修正か
主計総処は第1四半期のGDP成長率を3.5%と予測しているが、同期の輸出総額が従来予測を27億米ドル下回ったことから、下方修正する可能性も出てきた。同処は4月末に同期GDP成長率の概算予測値を公表する予定だ。
企業の設備投資意欲にも懸念
なお、3月の輸入総額は212億米ドルと前年同月比17.8%減少した。中でも生産設備は19.5%減の29億8,800万米ドルと2カ月連続の2桁減少となっており、台湾企業が設備投資に慎重になってきているとの懸念も出ている。
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