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台中MRT工事で箱桁落下、4人死亡


ニュース 社会 作成日:2015年4月13日_記事番号:T00056364

台中MRT工事で箱桁落下、4人死亡

 10日午後5時ごろ、台中市の都市交通システム(MRT)緑線の工事現場で高架部分の箱桁と呼ばれる構造物がつり上げ作業中にクレーンから12メートル下の路上に落下し、作業員と下を通過中の車を運転していた女性(42)の計4人が死亡。作業員4人が軽傷を負った。


箱桁は11日未明に撤去され、下敷きになった被害者がいないことが確認された(11日=中央社)

 落下したのは長さ43メートル、重さ209メートルの箱状の箱桁。台中地方法院検察署によるこれまでの調べで、つり上げ時の作業手順に問題があり、重心が不安定だったことが指摘されている。このほか作業時に周辺の交通が規制されていなかったことも問題視されている。

 現場は幹線道路の文心路と北屯路の交差点付近で、台北市政府捷運工程局が建設工事の監督者を務め、高架部分の本体工事は遠揚営造工程、箱桁のつり上げ作業は中国鋼鉄結構がそれぞれ受注していた。

 工事を急ぎたい台中市政府の意向を受けた遠揚工程は、中国鋼鉄結構に作業遅延の場合には罰金処分を下すと圧力をかけていたことも分かっており、工事を急ぐ余り、安全確保がおろそかになったとの批判も浴びている。

 林佳龍台中市長は、工事を全面的に見直すとともに、責任の所在を明らかにするため、専門小委員会を設置する方針を明らかにした。

 一方、箱桁のつり上げ作業を受注していた中国鋼鉄結構は12日、「負うべき責任を負う」とする声明を発表するとともに、陳明漢董事長が犠牲者の弔問に訪れた。

 台中MRT緑線は全長16.71キロメートルのうち、高架部分が15.94キロメートルを占め、2020年の完成を目指している。林市長は就任後、18年11月の試運転開始を目標に工事を急ぐよう指示していた。