ニュース 公益 作成日:2015年4月13日_記事番号:T00056386
経済部水利署は10日、第2段階給水制限を実施中の台南市、高雄市の工業用大口使用者に対し、今週15日から現行の給水制限7.5%を10%へ引き上げると発表した。両市で▽電子▽基本金属▽石油化学▽紡織▽製紙──関連を中心に使用者1,012件が対象となる。給水制限強化の発表を受け、台湾中油(CPC)はきょう13日から高雄市林園工業区の芳香族炭化水素(AH)工場1基の生産を停止した。13日付工商時報などが報じた。
連日の雨で石門ダムの水位はわずかに上昇したが、貯水量は依然25%以下にとどまっている(10日=中央社)
干害中央災害対策センターは10日、第3回作業報告会を開催。南部で長期間まとまった雨が降っておらず、6月まで少雨が続くと中央気象局が予想していることから、民生用の給水制限を避けるため、工業用大口使用者に対する給水制限強化を決めた。楊偉甫・経済部常務次長は、台南市、高雄市で第3段階給水制限(隔日断水)への移行を避ける目標に変わりはないと語った。
CPC、四軽の稼動停止も
黄順発CPC石化事業部代理執行長によると、林園工業区内の第4ナフサ分解プラント(四軽)、新第3ナフサ分解プラント(三軽)、AH工場3基の1日の水道使用量は合計約4万5,000トン。同区内の貯水量は8万トン、工場排水の再利用は5,000トンに上るが、給水制限が7.5%を超えると全工場の正常稼動が難しくなるため、AH工場のうち1基(日産能力1,800トン)の稼動を停止したと説明した。これにより1日約1,000〜2,000トンの節水を見込む。
工商時報は、水不足がさらに深刻化すれば、CPC四軽も稼動停止を余儀なくされる他、大社石化工業区(高雄市)のメーカーも全面的な生産停止に追い込まれると懸念を示した。
CSC、「生産に影響なし」
一方、中国鋼鉄(CSC)は、給水制限を10%に強化しても同社の生産活動は影響を受けないと表明した。
林弘男CSC執行副総経理は、同社の水道使用量は以前1日14万2,000トンだったが、工場排水の再利用率向上、各種節水措置を通じて現在は1日12万5,000トンへと12%減らしており、経済部の給水制限幅10%を上回ると指摘した。
この他、日月光半導体製造(ASE)の高雄市楠梓加工出口区(輸出加工区)工場も、中水再利用システムなどを利用することで、打撃を回避できる見通しだ。
北部の隔日断水、対象地域拡大
一方北部では、石門ダム(桃園市、新竹県)を水源とする桃園市、新北市(板新、林口地区)で8日から第3段階となる5日給水、2日断水の給水制限が始まったが、水不足に依然改善が見られないため、きょう13日から新北市の三峡区、鶯歌区、土城区、樹林区、および桃園市の八徳区でも毎週月、火曜日の断水が開始された。対象は13万世帯、34万人。
「石門ダムを桃園専用に」
なお、石門ダムの水源を新北市の一部地域にも供給していることについて、鄭文燦桃園市長は12日、水利署に対し、新北市への全面供給を可能にする翡翠ダム(新北市)の「板新地区供水改善計画2期工事」を早期に完成させるよう要求し、石門ダムの水源は将来的に桃園市のみが利用すべきと表明した。
鄭市長は、石門ダムの貯水量はますます減少しており、隔日断水を実施中の桃園市の水需要すら満たせていない状況で、新北市に供給する余裕はないと指摘した。
これに対し楊経済部常務次長は、「水資源は各地で融通し合っている。(水不足で)苦しいときはお互い助け合うべきだ」と鄭市長の発言に不快感を示した。
楊次長は、翡翠ダムは現在、新北市に1日47万トンを給水しているが、板新地区供水改善計画の2期第1段階工事の年内完成後には給水量は72万トンに、第2段階工事完成予定の2019年末までには101万トンに引き上げられると説明した。
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