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「LINE」で休暇申請した男性、無断欠勤扱いでクビに


ニュース 社会 作成日:2015年4月14日_記事番号:T00056388

「LINE」で休暇申請した男性、無断欠勤扱いでクビに

 台中市のスーパーマーケットに勤める男性が昨年、健康状態が優れないことから無料対話アプリ「LINE(ライン)」を通じて休暇を申請したところ、店長から承諾の返信を受けたにもかかわらず、本社の人事課からは無断欠勤として解雇されてしまった。これに対し男性は不当解雇に当たると訴えたが、裁判所はこのほど、男性は規定に沿った手続きを怠ったとして解雇を妥当とする判決を下した。

 食品スーパー、凱福登(キャプテン、旧裕毛屋)の台中市崇徳店に勤務していた男性、陳柏翰さんは、勤務時間が連日、長時間に及んだことから体調を崩し、胸に痛みを覚えたため昨年7月1日に病院で診察を受けた。その後LINEを通じ、処方箋の写真を添えて店長に「仕事を休みたい」と連絡したところ、相手から「了解。よく休んで」との返信が返ってきた。

 これで会社の許可が得られたと安心した陳さんはしばらく自宅で療養することにし、さらに同月5日と12日に病院で診察を受けた際もLINEで店長に連絡し、了解を得た。

 しかし、体調が回復したため正式に欠勤届を出そうと17日に出勤した陳さんは驚きの事実を知ることになる。人事課長は既に10日の時点で3日以上会社に無断で欠勤したとして彼を解雇すると全社員に通知していたのだ。

 これに対し陳さんは、会社は自分を解雇する前にLINEのグループから削除しており、事情説明を一切受けなかったとして「解雇は労働基準法に違反する」と主張し、裁判所に訴えた。

 一方、会社側は裁判で、陳さんに何度も電話連絡したが彼は応答せず、LINEのグループについても削除したのは自分自身だと指摘。さらに病院の証明書には彼が長期療養が必要な心臓病にかかっているとは記されておらず、かつ規定の休暇手続きを踏んでいないため法に基づいて解雇したと主張した。

 双方の主張を受けて台中地方裁判所はこのほど「陳さんが規定の手続きを踏んでいないことを理由に無断欠勤扱いとし、解雇したことは合法」との判断を下した。

 現時点でLINEによる休暇申請は電話と同様、「口約束」にすぎず、正式な手続きを踏んだとは言えないようで、これだけに頼って「会社から許可を受けた」とは考えない方が良さそうだ。