ニュース 社会 作成日:2015年4月16日_記事番号:T00056441
 国立政治大学(台北市)では、『進撃の巨人』、『銀の匙(さじ)』など日本の人気漫画を教科書として日本の政治経済、文化を学ぶという一風変わった講義が開設されており、120人の受講枠をめぐって毎年1,000人以上の学生が争奪戦を繰り広げるほどの人気となっている。
同講義を担当するのは日本や韓国の政治経済を専門とする蔡増家教授。蔡教授は2001年に政治大学で「日本政治経済の研究」という講義を開設したが、受講者は毎年20人にも満たず、「どうすれば学生の興味を引くことができるだろう」と悩んでいたという。
そんなとき日本を訪れ、地下鉄に搭乗した際、乗り合わせた日本人乗客のほとんどが手に漫画本を持っていたことに強い印象を受け、これをきっかけに漫画を教材とすることを決めたそうだ。
もともと小さなころから漫画好きで『スラムダンク』、『釣りキチ三平』などに熱中した経験を持つ蔡教授は、大量の漫画を読み込み、日本の文化、政治経済の特色がよく表れている作品をリストアップし、08年に「漫画から見る日本」と題した講義をスタートさせた。
これまでに、日本と米中との外交関係をうかがい知ることができる『進撃の巨人』、日本の金権政治を描いた『サンクチュアリ』、日本人の有名大学に対する崇拝意識を理解することができる『ドラゴン桜』といった作品が教材として使用された。
また蔡教授は、『クニミツの政(まつり)』により日本人の政治に関する無関心が世襲政治家による政権支配を生み出している状況を知ることができる他、『島耕作』シリーズを読めば、なぜ日本人が競争を好まず、終身雇用制を重視するかがかなり理解できると指摘している。
ただ同講義について蔡教授は、「漫画をきっかけとして学生の興味を喚起し、さらに関連する専門書が読み込めるよう指導したい」と語っており、「漫画を読めば終わりというわけではない」と強調している。
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