ニュース 社会 作成日:2015年4月21日_記事番号:T00056525
台湾東部の高山部には、いまだ電気が通っていない原住民、タロコ族の集落が存在する。太陽が沈めば暗闇に包まれるこの集落に電灯の明かりをともそうと、このほどタロコ族の有志がソーラーパネルなど計35キログラムの太陽光発電設備を背負い、海抜1,000メートルの高さまで運び上げた。
太陽光発電設備を背負っての山中行軍は10キロメートルにも及んだ(20日=中央社)
もともと南投県をテリトリーとしていたタロコ族は、漢民族の入植に伴い花蓮県の高山部に移住。さらに日本統治時代には低山部や平地への移住政策が進められたが、一部の集落はその後も高い山の中に残された。
今回、太陽光発電装置が設置された「大同(タロコ語・Skadang)部落」もその一つ。同集落は戦後も高山部に残っていたが、子供の就学問題を理由に1979年、住民の大部分が平地に移住した。ただ、それでも住み慣れた環境や生活習慣を捨てがたい一部の住民はそのまま集落に残り、現在まで従来の暮らしを続けている。
海抜1,000メートルの高さに加え、集落の所在地が太魯閣(タロコ)国家公園に含まれることから道路の建設が難しく、さらに道路がないことで電線や水道を通すための工事も不可能なため、今もなおろうそくや湧き水に頼る生活が続いている。
そんな中、「自分たちの集落は自分たちで救おう」と考えたタロコ族の有志が立ち上がり、募金による22万台湾元で太陽光発電設備を購入。「暗黒集落に明かりを」計画が進められた。
設備の運搬当日、86歳になる村の長老に率いられ、女性や子供を含む住民が山のふもとまで出迎えに訪れ、伝統儀式を執り行った後、タロコ族の男性2人がソーラーパネルや蓄電池を背負い、村へ向かって出発。その後、約4時間をかけて山道を歩いて村に到着。ついに集落が電灯の明かりに照らされることとなった。
現在、8組の発電設備を購入しており、これで集落全世帯の基本的な照明がまかなえるという。今後も照明以外の動力源として設備を増設したい考えだ。
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