ニュース 公益 作成日:2015年4月28日_記事番号:T00056682
台湾電力(TPC)第3原子力発電所(屏東県恒春鎮)2号機が27日未明に火災で緊急停止したことを受けて、電力不足が供給制限を招く恐れが高まった。発電所7基の定期検査によって、5月末に電力供給予備率が過去10年で最低の3.3%に低下する見通しとなっている中での事故で、第1、第2原発の停止中の原子炉の再稼働が遅れれば産業界に影響が及ぶことも懸念される。28日付工商時報などが伝えた。
消防車による放水を浴びる第3原発。TPCは、補助変電器が壊れても他にも2つの電源系統があり、ディーゼル発電機も用意しているため、電源が失われることはないと説明した(27日=中央社)
台湾全土の3基の原発のうち、第1原発(新北市石門区)は昨年12月、1号機燃料棒の付属部品脱落事故を受けて稼働停止中で、行政院原子能委員会(原能会)による再開認可が下りるまで時間を要するとみられる。また、第2原発(同市万里区)1号機も24日から定期検査に入っており、これにより3原発の原子炉6基のうち半分に当たる3基がストップしたことになる。停止中の原子炉3基の総出力は255万7,300キロワット(kW)で、台湾の総発電量の9.9%を占める。
TPCは第3原発2号機について、復旧に2週間かかるとみている。ただ、復旧できても再稼働には原能会の認可が必要で、経済部関係者は「2、3カ月では済まない恐れがある」と懸念を示した。電力供給予備率は気温が30度まで上がった27日には5.93%まで低下し、依然TPCが供給不足のリスクがあるとする10%を割り込んだままだ。電力制限を避ける上では、原能会による停止中の原子炉の稼働再開判断が間に合うかが大きなポイントとなりそうだ。
「稼働停止の前倒しを」
第3原発2号機は今回、補助変電器から出火して火災となった。2号機は1984年の運転開始以降、85年、01年、09年と過去に3回火災を起こしており、異常の発見および規則違反は少なくとも延べ30回以上に上り、台湾の原発の中で最も多い。環境団体、緑色公民行動聯盟の崔愫欣秘書長は、「25年の稼働停止が予定されているが、前倒しにすべき」と訴えている。
今回起きた火災では大きな音とともに大量の白煙が上がり、地元住民を不安に陥れた。屏東県は原子炉を緊急停止させたにもかかわらず県への通報が遅れたことを問題視しており、第3原発に対し公共危険罪での立件も含め厳しい処分を下す方針だ。
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