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台北Wホテル屋上で養蜂、ミツバチ15万匹に繁殖


ニュース 社会 作成日:2015年4月29日_記事番号:T00056684

台北Wホテル屋上で養蜂、ミツバチ15万匹に繁殖

 台北市でも指折りの高級ホテル、Wホテル台北が入居する32階建て高層ビルの屋上で、大都会では聞き慣れない「ブンブン」という音が聞こえる。実はここではミツバチが飼育されており、このほど初めて蜂蜜3リットルの採取に成功した。今後さらに飼育数を増やす予定だ。

 この養蜂事業は知的障がい者の支援団体、心路社会福利基金会が資金不足を賄うため、Wホテルや宜蘭大学の生物技術動物科学系の陳裕文教授などと共同で立ち上げたソーシャル・ビジネス(社会的企業)だ。

 昨年9月に新北市坪林区の水源保護区でミツバチの飼育を開始。飼育箱が当初の6箱から20箱に増え、繁殖が進んだ今年1月、5箱をWホテルの屋上に運んだ。当時、ミツバチの数は約3万匹だったが現在では15万匹まで増えたという。

 陳教授によると、養蜂場が多く存在する台湾中南部の農業県では、野菜や果物の栽培に農薬を使用するためミツバチが生存の危機にさらされているが、良好な緑化が進んだ都市部であれば1年を通じてさまざまな種類の花が咲き、農薬の使用率も低いため、ミツバチにとって優れた生存環境となるそうだ。

 なおWホテルの屋上に住むミツバチは、近くにある国父紀念館などの樹木や花から蜜を採取するらしいが、市民からは「町を歩いていてハチに刺されるようなことはないのか」と不安がる声もある。実際、同ホテルの宿泊客が10階のオープンスペースで刺されるというトラブルも発生した。

 しかし陳教授は「ミツバチはおとなしい昆虫で生命の危険にさらされない限り、人間を襲うことはない」と指摘。また、歩行者や車などの通行を妨げることはないと強調した。

 なお屋上で収穫した蜂蜜は今後、心路基金会が瓶詰めにして販売する他、6月からWホテルのレストランで販売される「蜂蜜チーズケーキ」や「ビーズ・ニーズ」カクテルの材料として利用される予定だ。