ニュース 食品 作成日:2015年4月29日_記事番号:T00056707
新北地方法院検察署は28日、現在輸入を停止している千葉県の水産物や、残留農薬が検出されたタイのアスパラガスを不正に輸入させた疑いで、財政部関務署台北関および桃園市衛生局の職員や業者など7人を取り調べた。職員2人は業者から数十万台湾元(1元=約3.9円)の賄賂を受け取って輸入を認め、これにより6,434キログラム、1,000万元以上の問題食品が日本食レストランなどに卸されて、消費者が口にしたものとみられる。29日付蘋果日報などが報じた。
新北地検と法務部廉政署は、台北関など14カ所を捜索し、台北関職員の楊俊源容疑者、桃園市衛生局管理員の張恩碩容疑者、聖元報関の廖恩葳容疑者らの輸入業者や農水産物業者、計7人を秘密漏えい、文書偽造、詐欺、汚職、図利などの罪で送致した。楊容疑者は漏えいを認めたが、収賄を否定した。張容疑者も便宜を図ったことは認めたが、収賄を否定した。
代替品や空箱を廃棄処分?
調べによると、廖容疑者は昨年10月から高雄市の元億水産が日本から甘エビ、コンブ、海ブドウ、万能ネギ、葉ショウガなどを輸入するのに協力しており、千葉県産で輸入できない一部食品については、問題のない貨物の中に混入して桃園国際空港の速達貨物専用区などを通過させていた。抜き打ち検査に当たった場合は、楊容疑者が生産地を改ざんしたり、問題食品を除去するよう連絡した。
また、タイから高級アスパラガスを輸入する際には、楊容疑者が用意した検査用のアスパラガスを抜き打ち検査に使っていた。今年1月には楊容疑者が休暇中だったため、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA、食薬署)が抜き打ち検査で殺虫剤などの農薬が残留したアスパラガスを発見して破棄を命じたが、廖容疑者は張容疑者を買収して押収の時期を遅らせ、代わりに市中で買い付けた安値のアスパラガスを混入して破棄した。
今年2月にはフィリピン産のノコギリガザミ(マングローブクラブ)から残留農薬が検出されたが、廖容疑者、張容疑者が便宜を図り、空箱だけを破棄していた。
食品問題で初の汚職
廉政署は、食品安全問題が相次ぐ中で、行政と民間が手を組んでの汚職は初のケースで、他の公務員も不正に関与している可能性が否定できないと指摘した。
行政院農業委員会(農委会)の陳保基主任委員は29日、水際管理は規定やモラルを順守し、特に食品の安全に関わる場合は厳格さが求められると呼び掛けた。
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