ニュース 電子 作成日:2015年4月30日_記事番号:T00056735
半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、矽品精密工業(SPIL)の林文伯(バウ・リン)董事長は29日、半導体市況は第2四半期の不振を経て第3四半期以降に回復し始め、スマートフォンなどモバイル端末の需要増で下半期に前年同期比6〜9%の成長が見込めるとの見通しを示した。30日付経済日報などが報じた。
半導体業界の景気予測で定評がある林董事長は、第2四半期の需要が例年ほど強くないと指摘。その理由として▽中国が世界の主要市場となったことによる、顧客の調達ピークの周期の変化▽中国でスマホの販売が好調だったアップル、サムスン電子などが調整期に入ったこと──を挙げた。
一方、下半期は、ここ数年ほどではないがスマホの成長が続くと予想。業界期待のウエアラブル(装着型)端末に加え、クラウド市場の需要増加でデータセンターも半導体業界の成長をけん引する重点分野になるとの見通しを示した。
Q1純利益、08年以降で最高
SPILが同日発表した第1四半期の連結売上高は208億500万台湾元(約810億円)で、前期比2.9%減少したが、前年同期比では15.2%の大幅増となった。純利益は前期比13.3%減、前年同期比25%増の26億1,500万元で、同期としては2008年以降の最高を更新した。
同社は、第2四半期は通信、パソコン向けなどで需要が増え、同期連結売上高を212億〜224億元と予測した。前期比1.9%〜7.7%増の予測で、市場予想の10%増を下回る。林董事長は、顧客によって需要の強弱がまちまちなため、昨年ほどの売上成長は見込めないが、成長率は同業他社を上回ると強調した。
SiP参入への準備着々
一方、第3四半期の業績は四半期ベースで過去最高を更新するとの強気な見通しだ。林董事長は、システム・イン・パッケージ(SiP)事業への参入準備を進めており、急成長するウエアラブル端末やカーエレクトロニクスなどモノのインターネット(IoT)商機の獲得を目指すと語った。
SPILは今年通年で145億元の設備投資を計画しており、主に中部科学工業園区(中科)での先進封止・検査ライン設置に充てる。中科工場は第3四半期より量産開始の予定で、売上高に貢献する見通しだ。
林董事長は、マイクロコントローラー(MCU)、無線通信、電源管理を統合したモジュールの他、統合型の低消費電力ブルートゥースチップモジュール、車載用無線通信モジュールを開発済みで、海外の大手IC設計企業に採用されたと明かした。SiP分野で先行する日月光半導体製造(ASE)を追い駆けたい考えだ。
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