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高雄市の観光客激減、大規模爆発事故でイメージ悪化


ニュース 商業・サービス 作成日:2015年5月8日_記事番号:T00056867

高雄市の観光客激減、大規模爆発事故でイメージ悪化

 高雄市政府観光局の第1四半期統計によると、高雄を訪れた台湾人、外国人旅行者は延べ907万人で、前年同期より200万人(18%)減と異例の減少を見せた。旅行会社、ホテル、土産物店など観光業界の業績は1〜3割減、損失額は40億台湾元(約155億円)との試算が出ている。昨夏の大規模爆発事故によるイメージ悪化が響いている。8日付経済日報が報じた。


観光スポットの一つ、西子湾。高雄は見どころが限られ、リピーターが少ないとの指摘もある(7日=中央社)

 高雄市観光局の許伝盛局長は、爆発事故からまだ復興していないとして訪問をためらう観光客が少なくないと分析した。同局は対策として、高雄に宿泊する観光バスが30人以上の乗客を集めれば、1台に付き6,000元の補助を支給している。

 高雄の5つ星ホテルは、▽漢来大飯店(グランド・ハイライ・ホテル)▽寒軒国際大飯店(ハンシエン・インターナショナルホテル)▽高雄福華大飯店(ハワードプラザホテル高雄)▽高雄国賓大飯店(アンバサダーホテル高雄)▽君鴻国際酒店(85スカイタワーホテル)──などいずれも、第1四半期の売上高、客室稼働率が前年同期を下回った。

 特に高雄のランドマーク、85階建ての高層ビル「高雄85大楼」に入居する85スカイタワーホテルは、同期売上高が1,400万元で14%減少、利用客室数が12%減少し、平均客室単価は高雄の5つ星ホテルで最下位となった。

 一方、最大手の漢来大飯店は、母の日キャンペーンでの客室料金76%引きや、台湾唯一のハローキティで装飾した客室の宿泊料金60%引きなど、通常行わない割引で、宿泊客確保に乗り出している。

奇美博物館、台南集客に貢献

 高雄市旅館商業同業公会の劉坤福理事長は、高雄の観光振興のためには先まで見据えて観光PR、海外向けマーケティングを継続するしかないと語った。台湾全体の観光業は毎年15%以上成長しており、今年の外国人旅行者は延べ1,000万人を突破する見通しだ。

 業界関係者は、台南市で今年1月に移転再オープンした奇美博物館に数十万人が押し寄せ、ついでに台南を観光するので、高雄を訪れる旅行者数に大きく影響していると指摘。高雄も中身で勝負し、観光の質を向上させなければならないと訴えた。

 台南市を第1四半期に訪れた旅行者は延べ60万人(23%)増えた。もともと文化的な見どころが多いことも強みだ。

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